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ミュージカル『Moulin Rouge!』

 とにかくテンション高いし、セクシーだし、派手だし… 2021年にトニー賞最優秀作品賞(ミュージカル部門)をはじめとする10部門を受賞したミュージカルです。オープニングの水曜夜と、金曜夜の舞台を見ました。初日は、当日の案内係ボランティアに来られない人の代理でした。偶然なのですが、二夜とも同じ舞台袖のドアの担当になりました。舞台全体は見えないけど、近くから役者さんたちの表情がよく見え、迫力がある位置で、通の人には好まれる席だとか。

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 ニコール・キッドマンとユアン・マクレガー主演の2001年の映画「ムーラン・ルージュ!」を元に、2018年でボストンで初舞台化されました。既存の楽曲を使用した「ジュークボックス・ミュージカル」で、お馴染みの曲のオンパレードですが、映画時から2018年までのヒット曲が新たに加えられ、レディー・ガガ、ビヨンセ、リアーナ、ケイティー・ペリー等々のラブソングが色を添えます。第一幕は映画のコメディー色を残したまま賑々しく進みますが、第二幕はぐっとダークになります。
 このミュージカルについては、ウィキペディアiで紹介されています。お話の筋は基本的に映画と同じで、同じセリフもありますが、映画では道化役だったロートレックが、なぜロートレックでなければならないのか、そして真の道化である公爵は腹黒DV男として、ずっと危険な存在です。スターのサティーンの周りの踊り子たちのエピソードも加えられ、若く思い込みの激しいクリスチャンの純粋さ、サティーンのコケティッシュな魅力と友を思う気持ち等、物語が厚みをましていると思います。そして、LGBTQ色もたっぷりと。もしミュージカルを見るなら、事前に映画を再見すると違いがわかって面白いかも。私も映画を見直して、舞台が理解できたと思いました。



 金曜の公演は証明に問題があって開演が15分遅れました。そのせいか、ショー本編が始まる前のプレ・ショート、最後のカーテンコールが短かったけど、水曜のほうがオープニングでスペシャルだったのか、金曜は単に時間が押したので短くしたのか、次にボランティアに行ったときに確かめたいと思います(まだ行くんかいっ!?)

 実は金曜の夜のボランティアは、お友達と一緒でした。いつも一人で行くだけなので、ショーの前後にお話できたり、いつもより楽しかったです!カップルやお友達同士でボランティアをして、同じドアを担当するペアが何組も居るので、羨ましいって思っていたので嬉しかった~!ほーんと、ショー見るだけでも楽しいのに、こんなに楽しくていいのかしら?って思っちゃいます。

 今夏には帝国劇場でも公演される(日本公演公式HP)ので、興味があって検索してみましたが、チケット高いですね!!私のボランティアしてる劇場は、高い席は8万円程度と高いけど、一番安い席は59ドル、当日空席があると、半額でチケットが買えるシステムもあるので、敷居が高すぎる(゚△゚;ノ)ということはありません。セリフは日本語でしょうが、歌の部分はどうするのかしら?歌部分は英語のままなのか、歌がセリフを成しているので日本語にする?そして、衣装がすっごくセクシーなのですが、日本もあの衣装なの?等々、気になる~

 もう一つ、映画だとユアン・マクレガー演じるクリスチャンはイギリス人でしたが、ミュージカルではオハイオ州ライマという街から船でパリにやって来たという設定。これってオハイオ州での公演限定のネタかと思ったら、公式設定だって。シンシナティ公演の次はクリーブランドなので、何処の訛やねん?と聞かれて、クリーブランド、かな?ってセリフは、すっごくウケそう。クリスチャンの素朴な純粋さや愚鈍なまでの理想主義は、イギリスの女池の息子よりアメリカから渡ってきた青年のほうがあっているように思います。ヨーロッパから自由を求めて米国に渡った子孫が、自由を求めてアメリカからヨーロッパにしたというのもも面白いし。

 悲劇ではあるのですが、とても明るくてセットも豪華、最後には花吹雪が舞う。お客様たちも大満足。ニコニコしながら劇場を出ていく方々を見るのも嬉しいですね。しかし、映画の方もテンション高すぎて見終わったら疲れたけど、舞台版も疲れた。ここで、案内係の秘密を一つ。各幕の最初、何分かは遅れてきた方には劇場外で待ってもらうために、ドアの外側で控えているのですが、音楽はよく聞こえます。なので、案内係はドアの外で音楽に合わせて踊っている。


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キンキー・ブーツ

 二夜連続のボランティア、ミュージカル「キンキー・ブーツ」のオープニング。日本でも過去3回、公演されているのですね(公式サイト)。2005年の映画を元にして、シンディー・ローパーが曲をつけ、2012年でシカゴで初演の後、ブロードウェイに進出したコメディー・ミュージカルだそうです。詳しい背景やストーリーはウィキペディアから。キンキー(Kinky)って、ヘンタイって意味なのですが、近畿ーと変換されてしまう(^^;)

 この公演は、いつものブロードウェ・ショーの全米ツアーではなく地元の劇団によるもので、メインの大劇場横の小劇場での公演。とてもメッセージ性の強いショーですが、ニッチ市場に目を付け、サイズが大きく男性の体重も支えられるセクシーなブーツで再生した実在の老舗男性靴の製造会社、W.J. Brooks社がモデルというのが驚きです。しかも、Kinky Boots(変態ブーツ)なんてニックネームを付けたのは、この会社の男性向け女装用ブーツ、Divine Footwearをドキュメンタリーで取り上げたBBCなんだって。このドキュメンタリーを元に映画「キンキー・ブーツ(2005)」が制作され、2012年にミュージカル化、2013年のトニー賞で6部門を受賞しました。ドラァグ・クイーンのダンスも華を添え、ありのままの自分でいることの大切さと、LBGTQへの差別反対を訴えるショーです。

 今日は初日とあって、キャストの友人や家族、地元のLBGTQコミュニティーからも応援に駆けつけて大盛況でした。10cm位ありそうなピンヒールで闊歩する、キンキーブーツを決めたマッチョなオジサマ集団もいたわ。すっごく可愛いチェックのアンクル丈ブーツの人に、思わず何処で買ったのか尋ねたら、アマゾンだって。アマゾン、すげー(@_@)

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 ドラァグ・クイーンのみならず、エルトン・ジョンを始めとするアーティストにも愛されたDivine Footwearですが、安価な海外の会社との競争には勝てず、会社は2000年に閉鎖してしまったそうです。でも、そのレガシーは生き残り、今夜のショーには、自分たちが高校の劇で演ずるに当たり、テネシー州から40人以上の高校生が観劇に来て、劇の後には、彼らがキャストやスタッフとお話する席も設けられました。

 マイクの調子が悪かったり、音声が不調だったり、ダンスの最中でこけちゃったり、手作り感あふれるセットや小道具、衣装とも相成って、いつものブロードウェイ・ショーとはまた違った味わいがありました。ショーのフィナーレでは、全員がヒールの高いブーツで踊ります。ドラァグ・クイーン役の人だけではなく、全員。男性キャスト、よく頑張った!



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やっぱり買ってしまった

 降ったり止んだ
晴れれば晴天、急に雨がザーッと来て、また晴れて。妙なお天気の日曜日でした。郊外の大きなスーパーに食料品を買出しに行く前に、公園に寄って犬と少し散歩しましたが、ちょうど家に帰る頃に雨が降り出したので、運が良かったわv

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こんなに良いお天気だったのに


 背景はシンシナティ美術館。は~い、物欲に負けてしまいました。金曜日に見送った欲しかった物をゲットしてしまった。

 金曜日に買わなかった一枚。シンシナティ美術館のギフトショップでは、名画や巨匠の作品の猫や犬を加えたパロディー(?)グッズを作っているNIASKIというイギリスの会社の商品を取扱っており、私はカードだのピンだの、地味~に売上に貢献しております。

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左がオリジナル、右が「Picatso's Cat Lady」

 ピカソが愛人のマリー・テレーズを描いた「夢(赤い椅子に眠る女)」に、黒猫さんをプラス。愛人時代が重なるドラ・マールさんがモデルにした絵で真っ先に思い浮かぶのが、壮絶な「泣く女」なので、一方のマリー・テレーズさんは随分と穏やかな感じですが、「泣く女」は、マリー・テレーズと取組み合いの喧嘩の末、嫉妬に泣き狂うドラさんという話を何処かで読んだこともあり、いやはや何とも。

 しかもピカソさん本人は、野生的な猫は好きだけど、サロンの長椅子で喉を鳴らしているような上流社会の猫は嫌いだと言っていたとか。そういや、鳥を喰う猫って、恐ろしげな猫の絵がありますね。でも、ドラ・マールや最後の愛人、ジャクリーヌが黒猫を抱いている絵も残しているので、この絵もまんざらでもないのかも…と、色々考えてしまいますが、そういった事とは無関係に好き。

 実は、この絵のカードと、同じシリーズのマティスの絵に黒猫を付け加えた絵のカードを並べて飾っておりまして、もし、マティスの絵の方のプリントもあったら、また物欲に負けるわ~


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ミュージカル「ヘイディズタウン - Hadestown」

 2019年トニー賞を8作品賞含む部門で受賞したミュージカル。金曜夜のシフトに入っていたのですが、土曜夜にボランティアが足りないとのことで、2夜連続で見ちゃいました。

『ヘイディズタウン』(Hadestown)は、アナイス・ミッチェル(英語版)作詞・作曲・脚本によるミュージカル。ギリシア神話のオルペウスとエウリュディケーを基にしている。少女エウリュディケーは食べ物を探し、神話が予言する気候変動による更なる貧困から逃れるため地獄のような地下世界の工場に向かうが、貧しいシンガーソングライターの恋人オルペウスがエウリュディケーを取り戻そうとし、2人は共に逃亡方法を探す。(ウィキペディア

ブロードウェイでも上演中ですが、同時にドサ回り北米ツアーもしています。

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 かなり政治的なメッセージが強いので、気に食わない人はとことん嫌いなショーのようです。何しろ、第一幕の終わりには、悪役のハデスが「我々の持つものを持たざる奴らが欲しがる。だから自由を守るために壁を立てるのだ」とか歌うから、ここで立ち去る人もいました。でも概ね好評で、少し驚いたのは、カーテンコールのお辞儀が終わったあとで一曲あるから直ぐにドアを開けないようにと言われていたのですが、観客も承知なのか、普通ならカーテンコールで立ち去るお客さんが多いのに、誰も退出しなかったこと。

 私としては、今までに見た中でもベストのショーの一つ。流石はトニー受賞の装置、照明、音響デザインの舞台、ミュージカルはかくあるべき、というショーだと思いました。ストーリー的には、思わず突っ込みたくなるような点もありましたが、大事なのはお話の辻褄じゃないし、細けえことはいいんだよ!精神で向かおう。この年の脚本賞は、私が3回観た、あの「トッツィー」でしたから。

 金曜の夜は前知識ほぼ無しで、土曜はブロードウェイのオリジナル録音サントラを聴いてから見ました。お向かいの劇場、場所にもよるのでしょうが、なーんか音響が良くなくて、音が割れて歌が聴き取り難い時があるんです。聴き比べて思ったのは、ハデス役のマシュー・パトリック・クインさん、素晴らしいバリトンで、ブロードウェイキャストよりも好き!すらっと長身で舞台映えもする。役者さんの容姿が役柄に合っているのって大切だと思う。エウリュディケ役のハナ・ホイットニーさんも華奢でナイーブな役のイメージに合ってたわ。

 お顔はメイクアップもあるし、近くでないと見えないけど、体型は離れた席からでも誤魔化せない。凄く今時のポリコレ的には許されない発言だって理解はしてるんだけど、宝塚に太めの方はいないよねぇ(トッツィーのあれはやっぱり…orzです)。因みに、金曜夜の公演では、ダンサーのお姉さんが、とても胸の豊かな方で、激しいダンスの時にはついつい目線が行ってしまったけど、土曜の夜は違う人で、密かにがっかりした(ヲイ、コラ!)

 2週目はペルセポネ役の人が変わります。ボランティアのサブが必要になったら、また見に行っちゃうかも。


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Jagged Little Pill

 金曜夜のナイトライフ、カナダのシンガー・ソングライター、アラニス・モリセットの1996年グラミー賞受賞アルバム、「Jagged Little Pill」から、その他のヒット曲を元にしたミュージカルを見ました…また、向かいの劇場でのボランティア・座席案内係で、無料で。

 このショーの初演は2019年。こういう既存曲を元にしたショーを、ジュークボックス・ミュージカルっていうんだって。「ジャグド・リトル・ピル」とは直訳するとギザギザな小さな丸薬、良薬口に苦し、嫌な物や苦しい事だけど受け入れたら良い方向へ向かうという意味もありますが、それがギザギザだから、飲込むのが更に大変(Hard to swallowは、受け入れ難い事実という意味)。全米ツアーの公式サイトはこちら。アンサンブルには日本人ダンサーも。日本の若い人が海外で活躍しているのを見るのは嬉しい。そしてメインの一人、力強くソウルフルな歌声を披露するフランキー役は、なんとまだ高校生!

 主人公は、完璧主義者で常に誰よりも優位に立ちたい見栄っ張り主婦、メアリー・ジェーン(これもアルバム内の曲、「Mary Jane」から)。舞台は、MJがクリスマスレターを書いている場面から始まります。自慢の息子のニックはハーヴァード大に合格し、娘のフランキーは詩の才能に恵まれ、夫のスティーブは弁護士でパートナーとしてバリバリ働き、裕福な暮らしをして、ご近所マダム友たちの羨望とやっかみの的。MJは交通事故に会い、手術を二回もしましたが、今は順調に回復し元気いっぱい。でも現実は、MJは事故の後遺症で鎮痛剤のオピオイド中毒、ポルノ中毒の夫との仲は冷切っており、黒人の養女フランキーはボーイッシュな女の子のジョーと付き合っており、かつ白人一家の中でアイデンティティー・クライシス真っ只中。

 優秀で品行方正な息子のニックだけが、メアリー・ジェーン(MJ)にとっての本当の誇りですが、そのニックがクリスマス・パーティーで親友が酔って前後不覚の女の子、ベラをレイプしたところを目撃してしまう。妹のフランキーがベラの被害者としての権利を守るため立ち上がる中、保身のため黙っているべきか、自分の見たことを警察に証拠として報告すべきかで悩みます。ニックは母の求める「完璧な息子」を演じてきたのですが、初めて自分で何かを選ばねばらなくなったのでした。

 主人公を筆頭に欺瞞に満ちた登場人物たちの中で、レズビアンのジョーだけがGenuinな存在。フランキーに裏切られた彼女の心の叫びである第二幕の「You Oughta Know」は、劇の途中なのにスタンディングオベーションでした。

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  正直、このアルバムは知らなかったし、アラニス・モリセットって名前聞いたことある程度でしたが、実は聴いたことある曲ばかりでした。ローリング・ストーン誌の、このミュージカルに対するモリセットのインタビュー、「モリセットが語るメンタルヘルスとの闘い、大ヒット作『ジャグド・リトル・ピル』の記憶」で、ショーでも重要な役割を果たす曲と、その背景が語られ、ストーリーが曲の背景に沿っていたと解りますが、それでもオピオイド依存、人種・性的アイデンティティ、レイプ、ネットでの苛め、信仰の矛盾と、内容を盛込みすぎた気もする。

 3月31日は、国際トランスジェンダー認知の日です。だから今夜の公演は特別です。このショーにはTSの出演者が含まれ、プレイビルには各人の名前の後ろに性的アイデンティティーが示されていました。そして、ショーのあとに、劇中「You Oughta Know」を熱唱してスタンディング・オベーションを受けたジョー役のジェイド・マクレオドが特別なメッセージを伝え、熱烈な歓声を受けました。今夜はグッズの売上の一部がTSの子どもたち支援プロジェクトに寄付されます。内容から、観客は若い人やLGBTっぽい人が多いのかなと思ったら、普通に中高年のカップルが多くって意外でしたが、グッズ売場の列がすごいことになってた。

 ダンスはパワフル、レーザーや背景画面の照射を多用した今時な演出、歌は勿論、名曲。でも、今夜はなんか音響が悪かった気がするのね。たまに音が割れてたよ…


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sirowaniko

Author:sirowaniko
アメリカ生活も30年超え、NY、MA、DC、TX,CO、CAを経て、今はオハイオに犬猫と住んでいる普通のおばさん。蚊と蚤とトランプ一味以外の生き物が好き。

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