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「マダム・バタフライ」日本公演実現まで一人応援団

 シンシナティ・オペラ、2,022-23のシーズンを締めくくるのは、日本人、日系人による新しい解釈の「マダム・バタフライ」でした。次はいつ、どこで見られるかわからない。オペラは人気が高いので、客席案内は1作品につき1回しか申込めませんが、ボランティアは平均年齢がとっても高いので、必ず代替のお願いが出ます。早い者勝ちなので携帯の音量を最大にして虎視眈々とメールを待ち、シフトをゲットして二回目の観劇をしました。少し時が経ってしまいましたが、熱冷めやらず。しつこく、ニ回目観劇のことを描きます。

 批評も口コミも良くて、千秋楽では2282席のシアターが、ほぼ満席でした。華やかに着飾った人が多く、ドレスを見るのも楽しい。まぁ、タンクトップに短パンはいましたけど。うちの前には、シンシナティでも指折りの高級レストランがあり、毎晩賑わっていますが、ジム帰りみたいな格好の人は居ないし、店の前で嬌声を上げている人も居ない。正式なドレスコードはないようですが、カジュアルすぎると多分、お断りされてしまうと思う。歌舞伎に短パンで行く人は居ないでしょう。壮麗なオペラも、芸術に向き合う服装と態度で観劇したい。もし、チケットが取れていたら、私は着物で行きたかったな。かえって悪目立ちするかしら?METで何度か見かけたことはあるんだけど。

  この作品は、ぜひ日本で観て、一緒に見た人と語り合たい作品です。でも日本公演だからと簡単に日本に行けるわけでもありません。日本公演の実現まで、ネットの片隅で密やかに応援したいけど、暑苦しく語り合えるその日まで、思い入れたっぷりな勝手な解釈の感想を一人で書き連ねます。


 前回は3階席でしたが、今回は衣装や小物、セットを近くから見たくて、一階オーケストラ席に就かせてもらいました。開場前の明るい劇場でセットを見られるのも案内係の特権。ピンカートンのゲーム部屋、花魁の写真が貼ってあったり、白無垢姿の花嫁人形があり、なるほど、これがピンカートン青年の妄想のネタね、と納得。エヴァンゲリオンのアスカちゃんのポスターがあるのは気づいてたけど、蝶々さんはむしろ綾波レイちゃんだよねぇ、と、オタク全開で思ってたら、ちゃんとレイちゃんも貼ってあった。そういえば、「チルドレン」は皆、蝶々さん(数えで15歳)と同じ14歳でしたね。中二病真っ只中。

 私の記憶はアテにならないもので、前回とは違う気がする場面もあり、見逃した部分もあり。まずVR世界の水先案内人であるゴローが主要プレーヤー、召使いを紹介しますが、3人が冷蔵庫から出てくるの。現実がファンタジーへと変わると同時に、ドラえもんのタイムマシンが机の引出しにあるように、現実世界と空想世界は身近なところで繋がっている。

 前回、花嫁衣装の打掛を着た蝶々さんの足捌きが雑なのが気になりました。今夜はスズキさん(さん付けしたくなる)がマメに裾を直してあげていましたが、前回は気付かなかった。一幕目では、ファンタジー世界がピンカートンの思い通りに進みます。蝶々さんが親族に縁を切られてしまうのも、ピンカートンが「面倒臭いから家族、親戚全部消しちまえ」ってコマンドしたからだったんですね。アクティブではないキャラクターは無表情で動きもない。瞬きさえしていないのではないかと思うほど。

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第1幕のお人形さんのような蝶々さん


 ところが、二幕目にはキャラクターが意志を持って動き出し、プレーヤーのピンカートンの意に反した方向に。蝶々さんは意志の強いなおてんば娘で、レイちゃんよりアスカちゃんの方に近い。椅子の上には乗るわ、踊るわ、ピンカートンのことは諦めて金持ちの後妻になれと勧められても、頑として拒否。毎日、窓から双眼鏡で港に入る船を観ては、ピンカートンの乗る感が返ってくるのを待ち続けています。

 一幕目の台所には、ピンカートンの東洋かぶれを示す中華のテイクアウトの箱にカップヌードルといった小物。カルビーのポテチのりしお味の袋までもがありました、二幕目では台所の小物も、普通に果物の入ったボウルに変わっています。蝶々さん世界では3年後という設定ですが、現実世界でも時間が経っていることがわかります。子供も出来てて、ピンカートン、びっくり!

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これ、ピンカートンやんwww

 舞台近くなので、3階席からは見えなかった細かい点や、歌手の方々の表情が見えます。スズキさんの表情が豊かで、彼女の表情だけで全てが語られるように思いました。すっかりスズキさんに同調、蝶々さんを思って泣き崩れるシーンでは私も泣きそうなった。この重みを背負って生きていかねばならないスズキさん、とっとと自死した蝶々さんより可哀想。

  ノーラン監督の映画、「オッペンハイマー」でのエラーとして、星条旗の星の数が間違っているという指摘があるのですが、この舞台で登場する星条旗も現代の星の数が50のもの。ここにも、舞台が実は現代であることが示唆されているのですね。こういう発見も嬉しい。

 アリア、「ある晴れた日に」を歌い終わると、スポットライトの当たる指揮者の原田さんの指が少しづつ視界から沈んでいく… まるで、ターミネーター2でシュワちゃんのサムズ・アップした指が溶鉱炉に沈んでいく場面の余韻のよう。感動。

 最後には、蝶々さんの打掛けを掻き抱いて、バタフラ~イ!と、悲壮なピンカートンの声が響きます。一度目には、ピンカートンの妄想に呆れた蝶々さんがVR世界を出て行ってしまうと解釈しましたが、VR世界から出てきた蝶々さんと、ピンカートンが手を繋いで退場するのは、ピグマリオンのように二人が結ばれてハッピーエンド?若しくは、ピンカートンの方が取り込まれてしまった?色んな風に解釈できるように思いました。

 やっぱねぇ、オタク談義したいよねぇ。早く日本で… せめて日本人の多いNYかLAで!アトランタでもしてくれたら、凄く嬉しい。METは来シーズンにマダム・バタフライを演る予定ですが、リンカーン劇場は数階分の縦に長い舞台。「神々の黄昏」の最後でワルハラ崩壊時の衝撃は凄かったので、セットがどうなるかを想像するだけでワクワクです。是非見比べたいわぁ…



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いつまでも都合のいい女でいると思うなよ!21世紀の蝶々さん

 満を持して!シンシナティ・オペラの新作「マダム・バタフライ」の世界初演を見てまいりました!!


 沈黙の中、アパートの一室で、どうやら上手く行っていないらしいカップル。女性は怒ったように去り、男性はおもむろにVRゴーグルを付けてゲームの中へ没入していく。そして序曲へ。オペラの定石を覆すオープニングです。

 バーチャル世界では彼は白い制服も眩しい海軍士官、結婚仲介役のゴローはファンタジー世界の案内役。家は彼の思うままに形を変えますし、999年契約で100円で芸者を身請けし、毎月いつでも契約破棄可能。蝶々さんに仕える料理人、下男、そして女中のスズキは、日の出、香露、浮雲と紹介されるけど、ピンカートンは、面倒臭いから、ワン、ツーとスリー、でいいや、と。この軽さも、実存しない世界ゆえの気楽さと解釈できます。世界中の美女たちをモノにしたい、転んでもただで起きないぞ、アメリカ万歳、な究極のチャラ男、ピンカートンは、なろう世界のチート能力主人公、一方、蝶々さんは条順で可憐で一途に自分を慕ってくれる、夢のアニメ美少女。彼女の髪は紫色、スズキは緑色なのもゲームっぽい。因みに、蝶々さんのお母さんを演じるのは大柄の黒人女性、マンマ・ミーア!

 蝶々さんは15歳ですが、数え年でしょうから実際には13か14歳。ステージデザインの西川公絵さんが、先日のパネル(下の記事)で、蝶々さんの自刃を日米における若者の自殺に対する懸念と関連付けて語っておられましたが、見過ごされがちですが蝶々さんは夢見る少女、ホンの子供なのです。ピンカートンと結婚する前日にキリスト教に改宗してしまい、結果、家族や親戚の怒りをかって縁を切られてしまうのですが、蝶々さんには事の重大さが解っていなかった。ただ、アメリカ人の花嫁になる喜びとピンカートンの甘言に溺れてしまった。

 第二幕もまた、現実世界で始まります。ゲームに没頭するピンカートンと同居している彼女(ケイト?)との諍い、怒ってベッドに入ってしまった彼女に残されたピンカートンは、再びVRゴーグルを取り上げバーチャル世界へ。ピンカートンが去って3年、未だ現地妻のもとに帰ってきた外国人夫なんて居ないと諭されても、金持ちのヤマドリとの結婚を勧められても、かたくなにピンカートンを待ち続ける蝶々さん。その蝶々さんに息子がいることを知らされたピンカートンは動揺します。ゲームが自分の思わぬ方向に進んでいる。新たに登場したピンカートンの妻、ケイトもまたバーチャル世界の登場人物。その存在にすべてを悟った蝶々さんは、我が子をケイトに託して自刃。現実世界のピンカートンが夢の世界に逃避するように、蝶々さんもまた、アメリカ人夫に愛されている自分というファンタジーの中に生きている。蝶々さんは、自己犠牲のためではなく、自分のファンタジーに殉じた、と、私は解釈しました。が!

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アスカちゃん、おるwww

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蝶々さんの髪は紫色

 絶望するピンカートンを傍目に、もうアンタの妄想には付き合ってられないとばかり、蝶々さんは衣装とカツラをかなぐり捨て、バーチャル世界から出て行ってしまいます!お見事!!

 ゴージャスな衣装、夢のようなバーチャル世界とモダンな現実世界をスムーズに行き来するスマートな舞台デザインと、そこへドラマを加える照明、素晴らしい!今回、3階席からの観劇でしたので、オーケストラ席がよく見えたのですが、原田慶太楼氏の指揮はしなやかにして優雅。つい見惚れて、いかん、いかんと舞台に目を戻し。蝶々さん役のカラー・ソンさんは華奢で若々しく、可憐な蝶々さんにぴったりでした。スズキは唯一の日本人キャスト、加藤のぞみさん。二人の掛合いの「桜の枝を揺さぶって」、一番好きかも。

 蝶々さんの花嫁同中に付添った女性たちの花魁のような豪華な衣装、一方でゴローや領事のシャープレスの衣装は未来的。美術館かどこかのギャラリーで展示してほしいわ。じっくり見たい。たまたま、この時期にシンシナティに居て、この初演を見られた私、とっても幸運です。ぜひ、日本に逆輸入して、日本公演を叶えてほしいですよ。



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い~かないで~、いかないで~♪

いかあった。

 今年のシンシナティ・オペラの公演の目玉は、「蝶々夫人」です。アメリカ人海軍士官、ピンカートン野郎は、軽い気持ちで15歳の蝶々さんと結婚し子供まで作った上に、とっとと本国に帰って結婚し、そのアメリカ人嫁を連れて日本に来やがり、息子よこせとか言いやがるんで、蝶々さんは自刀してしまうというプッチーニのオペラ。美しいアリアで有名だけど、女性蔑視、アジア差別な内容ですが、初演は1904年だから。でも、今年の「Madame Butterfly」はちょっと違う。今週土曜日に初演です。楽しみすぎる。


私世代には、このCMでお馴染み。私的に蝶々さんのイメージで固定
純粋さの被害者ではなく、一晩中飲んじゃう強い女

 今作は、オール日本人+日系人メンバーによる新しい視点から再構築された、現代のファンタジー世界を舞台に、夢と現を行き来するストーリー。指揮は日本人の原田慶太楼さん、舞台監督は日系4世のマシュー・オザワ氏です。そのオザワ氏と、衣装デザインのマツシママリコさん、照明のユキ・ナガセーリンクさん、舞台美術の西川公絵さんを交えたパネルが、マーカンタイル・ライブラリーで開かれました。マーカンタイル・ライブラリーはシンシナティのダウンタウンにある歴史的な会員制図書館で、ここを訪れた際の記事は、こちら、「隠れた秘宝?シンシナティのマーカンタイル図書館」です。
 
 多くの人が来ており、このオペラへの期待の大きさが伺われました。意外と日本人とは出会わず、アジア人の方に話しかけても韓国、中国の方で… 実は、上の桃屋のCMを知っているか聞いてみたかったんですが。オザワ氏はよく知られたオペラの内容を大きく変えて語り直すことで勇気がいったけど、非難を覚悟で世に問い出す。ラストに大きなサプライズが待っている、とのこと。このオペラにもいくつかのバージョンが有り、今回は、ピンカートの奥さん、ケイトの役割も大きなロシア・バージョンだそうです。ケイトさんも、旦那が実はオレ、日本で結婚してに子供いるんだわ、って、「はぁ?」ですよね。

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 そして、西川さんは蝶々さんの自害に注目して日米の若者達の自殺について触れ、スライドで披露された衣装のコンセプト図も素晴らしく、土曜日の公演が待ちきれないよ!パネルに参加した皆さんは、未だ舞台の準備の中を抜けてきてくださったので、質疑応答等はありませんでしたが、主人公の超チュさん役が日本児ではなく韓国人歌手の方というのは、ちょっと引っかかるなぁ。日本のソプラノに歌って欲しかったかも。パネルのあとに、代役控えのトンガ系ソプラノ、サーン・ハラホロさんが「ある晴れた日に」を披露してくださいました。勿論、素晴らしかったけど、スタッフは日本人+日系スタップで揃えたのに、代役含め日本人/日系じゃないって…我が儘かな…

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このオペラに託したメッセージやデザインについて聴くことが出来ました



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フィ~ガロ、フィガロ、フィガロ、フィ~ガ~ロ~

 シンシナティのオペラ・シーズンが始まりました!シンシナティ・オペラは、NYCのメトロポリタン・オペラ、通称、METに次いで全米で二番目に古い伝統あるオペラカンパニーです。公園でのフリー・コンサートは雨で中止になって涙目、初週の演目、「Lucia di Lammermoor(ランモールのルチア)」は、全米ドサ回り中、新作の「ノック」も他の用事と重なって観られなかったので残念無念でしたが、「セビリアの理髪師」と「蝶々夫人」は早々にボランティアのスポットを確保しました。

 オペラの公演は回数が少ないので、ボランティアのスポットも争奪戦なの。私は、開示直前からF5推しまくって、どちらも土曜夜の公演をゲット。土曜の夜のオペラ、蝶ネクタイの紳士にイブニングドレスの淑女もいれば、Tシャツ短パンの人も(@_@) ブロードウェイ・ショー、クラシック・コンサート、バレエでは、客層も違うことが観客の服装で一目瞭然ですが、それぞれに正装の人もいれば、カジュアルな人もいます。私自身がコンサートやショーには、張切ってお洒落して行きたいタイプなので、正直、クラシックのコンサートやオペラにカジュアルすぎるのは… 実は客席案内が眉を潜めて目配せし合ってますよ。



 さて、ロッシーニのロマンティック・コメディー、「セビリアの理髪師」、面白かった~!ドン・バジリオの初登場時に、こっそりダース・べーダーのテーマが混ざったのは大爆笑。上手い!舞台上に英語の字幕が出ますが、つい字幕に目が行きがち。テキサスに住んでいた頃、上息子が見たがったので、まだ幼稚園児だった若息子も連れて、モーツアルトの「フィガロの結婚」を見に行ったことがありますが、字幕の読めない若息子がドタバタ劇を一番楽しんでたと思う。そういえば、METには字幕はなかった。

 アメリカに来て直ぐのNYCでは、リンカーンセンター前のYMCAに住んでいたので、ここを本拠とするMETやアメリカン・バレエ・シアター(ABT)の公演を頻繁に見に行きました。当時の立見席は7ドル、映画一本と同じ値段だったのです。世界最高レベルのオペラ・カンパニーの一つであるMET、世界一豪華なバレエ団と名高いABTが7ドルで観られたなんて、今にして思えば本当に贅沢。しかも、良い席に空席があると、そちらに移動させてもらうことすらありましたから、どんな高い席でも不適切でないよう、いつも一張羅を着て行きました。今でもリンカーンセンターに立見席はあるけれど20ドル以上するそうなので、気軽に映画と同感覚に観られませんね。

 次は今年の目玉、「蝶々夫人」です。

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拳を突き上げる蝶々さんに期待!いつまでも都合のいい女でいると思うなよ!

 オール日本人+日系人メンバーによる新しい視点から再構築された、現代のファンタジー世界を舞台に、夢と現を行き来するストーリーらしい。指揮は日本人の原田慶太楼さんです。再来週末に見に行きます。楽しみ~!


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Red, White and Pan! Pan! Pan!

 7月4日はアメリカの独立記念日。この日を祝って、各地で花火が上がります。今年は火曜日なので、月曜もお休みでエクストラに長い休日を楽しんだ人も多いでしょう。シンシナティでは、もう先週末からあちこちで花火の打上げ。うちの犬猫達は代々、花火の音を全く気にしない。モカは近くに雷が落ち、ピカッと共に爆音と友建物が揺れたときは流石にベッドの下に潜ってましたが、花火程度じゃイビキかいて寝てます。飼い主に似て鈍感なのか?

 昨年はワシントンDCで花火を観ましたが、今年は月末に息子が遊びに来るので、シンシナティ・ポップスの独立記念日コンサート+花火。「Red, White and Boom!」を見に行きました。アメリカの花火って、日本の一度に何発もシンクロして上がる壮麗な花火に比べると、種類も少なくてしょぼいんだけど、それでもテンション上がっちゃう。

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ダンスグループも登場

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た~まや~

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打ち上げ花火、下から見ました

 シンシナティ・ポップスのコンサートは初めてでしたが、指揮者と音楽監督は違うけど、演奏者の皆さんはシンフォニーと同じ顔ぶれでした。ボストン・ポップスとシンフォニーは別のカンパニーですが、シンシナティはシンフォニー、ポップス、オペラ、コーラス、実は楽器演奏者は皆同じなんだって。芸達者な皆様なんですね。コンツェルト・マイステリンも、いつものステファニ・マツオさん(←美人。私は実は隠れファン)。観客はジジババと小学生低学年までの子連れが殆どで、ノリがイマイチ。踊ったり、皆さん、ご一緒に、と張切る指揮者さんに悲哀を感じてしまった。子供、飽きてゲームしたり、追いかけっこしてるし~w まぁ、このユルさもご近所のピクニック兼野外コンサートっぽくて私は好きなのですが。

 ナショナル・モールのコンサートは毎年、締めがチャイコフスキーの「1812」で本物の大砲がぶっ放され、それに合わせて花火が上がり始めるのですが、こちらはコンサートが終わってから15分ほど後から花火。芝生に寝転がって、当に真上に花火という贅沢さ。いっぺん、やってみたかったんだよね~v

 その後、駐車場から出るのに時間がかかり、家に着いたら深夜を回っていました。窓下を見ると、なんだか若者達が群れになってワヤワヤ走り回ってるし、パトカーが何台も停まってるし、謎の大騒ぎ中。相変わらず、花火の音するし。独立記念日、終わってるのに、と、思いつつ寝ましたが、夜中にパンパンパンパン!と。やけに銃声っぽいけど花火だよね~、と、思ってたら、翌朝ニュースで、18歳の女性が撃たれて亡くなり、16歳が病院に運ばれたと。いや~ね~

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事故現場ニュース画面のキャプチャ

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うちの窓からの光景。赤丸が上の写真の場所

 週末ごとに銃乱射事件が起こるアメリカですが、年間で最も銃乱射事件が多いのが独立記念日で、二番目は翌日5日だそうです(CNN Japan)。翌日というより、この事件のように、深夜をまたいで夜間なのでしょう。ニュースだけでは伝わらないけど、無差別銃撃で被害に遭うって、歩いてたら急に撃たれたのではなく、人が集まって騒いでいる中での出来事なのかなと。ニュースでは花火帰りに被害に遭ったとありましたが、花火は数時間前に終わってるのに、現場近辺でグループに分かれて騒いでいた。グループ同士で揉めているような感じもありました。でも、1時頃には未だ多くの警官が居たのに、犯人には逃げられたというから、騒ぎも収まってパトカーも去ったあとの出来事だったのでしょう。伝えられない詳細の中に、「偶発的」とは言えない背景があったように思えます…


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創作バレエ

 今季のブロードウェイ・シーズンは終わりましたが、今月は地元、シンシナティ・バレエの創作ダンス発表会があります。まずはその初演、BOLD MOVESのProgram‐1が先週の金曜日、そしてProgram‐2を今週見ました。

 先週金曜は初日でしたので、シンシナティのダンス・シーンの重鎮達も勢揃い、客席も多くが関係者や招待客だったようです。開演前に場内に入ろうとした人を止めたら、「私はディレクターだ!」って言われて、「知らんがなー!」 演技中は劇場内に出入りできない「ホールド」状態なのですが、関係者達が勝手に出入りするので、我々、劇場案内係もお手上げ。2600人収容の劇場で、売れたチケットは658席。元取れてるのかね?なんて、案内係同士で心配しちゃったけど、半分以上の席が埋まっていたので、それだけ招待客が多かったのでしょう。だからエラソーなんかぁ?

 プログラム1はモダンダンスの群舞、「Sit」と「In the Middle, Somewhat Elevated」、ソロのフラメンコでした。リバーダンスでもフラメンコのセクションがあったし、フラメンコ、来てる?でも、個人的にはフラメンコは舞台より、もっとパーソナルなセッティングが好きだな。群舞は2演目ありましたが、どちらも緊張感があり、エネルギッシュでした。

 プログラム1の群舞が抽象的だったのに対し、2はストーリー性のある演目です。子供の目から見た世界を表した、何やら不穏な「Written & Forgatten(書かれて、忘れられた)」、イプセンの「人形の家」では、ノーラ役で日系のサキタ・ミノリさんのソロも見れたのが嬉しかった。「Façade」はバロック音楽にのせた、鏡の中自分、それは本当に自分なのか?な、ストーリーを表現した踊り。振り付けも本当に素晴らしく、完全に魅入られてしまいました。

 ブロードウェイ・ミュージカルも近くで見ると驚くけど、ダンサーのみなさんって本当に筋肉ムキムキなんですよね。古典では華やかな衣装に隠されているけど、今回のようなモダン・バレエでは、衣装も体にピッタリして、男性は上半身は何も身に着けていなかったりで、体操選手並みに筋肉ついてるのがわかります。あれだけの鍛えられた筋肉がないと、軽やかに飛翔したり、片方の爪先で立って止めポーズなんて出来ないのでしょう。バレエが女々しいなんてとんでもない。マッチョでないと踊れない!

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「Façade」

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「Written & Forgatten」から。女性ダンサーも腹筋バキバキである

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炭治郎くん、ダンサーなめたらあかん

 今夜は、劇場の席の3分の1しか埋まっていませんでした。プログラムはブロードウェイ・ショーのプレイビルよりも大きくて紙質もずっと良い。良すぎて重い。これで収益、大丈夫なんかと再びいらぬ心配してしまいますが、きっと寄付とバレエ教室での収益が大きいんだろうな~



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Moulin Rouge! The Musical!舞台「ムーラン・ルージュ」5回見た

日曜夜がシンシナティ公演の千秋楽でした。3週間の公演で、計5回見たわ。ああ。贅沢だこと…

 毎回、少しずつセリフや振り付け、アンサンブルの人数が変わるのが、生の舞台の面白さでしょうか。最終日の今日は、メイン枠役の二人、ロートレックとサンティアゴは代役でした。なんでも、一軍(?)は、次の公演に備えて早めに移動しちゃうことがあるんだって。今夜は最終日であり、休日なので、開園1時間半前に劇場に行ったら、建物の外まで続く長い列。売れ残った席が半額で買えるシステムがあり、それを目当ての列でした。

 劇中の台詞は、前回、こんなこと言ってたっけ?と思うことあれば、あのセリフ無くなってる!ということもあり。私の感想としては、ツアーの観劇に一番いいのは、二週目だと思う。その劇場に慣れて演技や演出がこなれ、ベストメンバーで見られる可能性が高い。


 シンシナティの今季ミュージカル・シーズンは終わりましたが、これからバレエとオペラのシーズン。これも楽しみv


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水墨画にチャレンジしたり、コーラスを聴いたり

 シンシナティ美術館では、頻繁に様々なイベントが企画されますが、今日の午後には水墨画のお試し体験教室がありました。実はこれ二回目で、一回目は黒い墨だけでパンダを描くセッションでしたが、気付いた時には制限人数が埋まってて悔しかったのね。だから、好評に付き二回目の今日は、予約開始直後に登録したの。まず初めに中国の絵画についてのレクチャーがあり、その後、墨汁で下絵を細い筆でなぞります。後は色墨と水で塗り塗り。なかなか思う通りには行かなかったけど、楽しい経験でした。

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機会があれば、また挑戦したい


 夕方は、ミュージック・ホールでコンサート。昨夜もショーを観たばかりなのに、本当に週末は全力で遊ぶ私です。去年、音楽堂へのコンサートに行ったときに、いつかボルティモア交響楽団の主任指揮者、マリン・オールソップさんの指揮を聴きたいと書きました(10/23/2022の記事)が、シンシナティにいながら、彼女の指揮を聴く機会があったのです。毎年、開催されるコーラスのMay Festival、なんと今年で150周年。

 隣の席の紳士は、一昨年前まではコーラスに参加していた方で、お話を聴くことができたのですが、参加者は年間に200時間ほど練習し、特にメイ・フェスティバル直前には毎晩集まって2時間の練習をするのだそうです。ボランティアとはいえ、生半可な興味本位ではとても参加できないですね。
 
 いつものように開演前にはトークがありました。私は音楽の専門的なことは解らないけど、その日に演奏される曲や、その作曲家の背景はいつも興味深く、コンサートの楽しみの一つです。今日は、テナーのロドリック・ディクソン(Rodrick Dixonさんのお話も聴けたのですが、その前にもお話する機会があり。来月のオペラでも歌うから聴きに来てね、と、気さくに仰るから、今日はお客だけどいつもは客席案内係なの、毎晩チケット買えないから、シフト入りまくって聴くね、と、バカな宣言をするワタクシに苦笑しつつも、Oh, thank you!と。素敵な方でした。

 自分で券を買ってお客のときは、私は最上階のバルコニー席が好き。理由は、奥の打楽器までよく見えるし、豪華なシャンデリアが間近に見えるから。上息子が高校の頃、マーチングバンドで打楽器を担当していたので打楽器に興味があるのです。シンシナティ・シンフォニー・オーケストラには日本人チェリストがおられ、コンチェルトマスターを務める女性ヴァイオリニストさんは、どう見ても白人女性なのにお名前が同じなので奥様なのでしょう。密かに応援しています。そして、コーラスのメンバーにも日本人の男性がおられました。シンシナティ大学の先生だそうです。若い(←私から見れば)日本人男児が異国で活躍しているのは嬉しい。

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コンサートホールのシャンデリア。いつ見てもタメイキ

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オールソップさんと演奏者の皆様

 今夜のテーマは「American Voice」、20世紀はじめのアメリカ人作曲家による曲が4曲披露されました。初めて聞く曲ばかりです。エホバを称える賛美歌を含む宗教色の強いスピリチュアルな演目で、普段の私は聴かないようなタイプの音楽ですが、力強い演奏と歌声で圧倒されました。ディクソンさんはモーゼのパートを歌いますが、神聖さすら感じました。オールソップさん、実物(?)は本当に小柄なのに、エネルギッシュなのめり込み型の指揮。聴く私もついつい無意識に、前かがみで椅子から乗り出しちゃう。座り直して、またふと気づくと前かがみになってる。オールソップさんは私にとって、今は亡きノートリアスRBG、ルース・ベイダー・ギンズバーグ最高裁判事と並ぶ、現代アメリカのアイコン的存在の女性です。憧れの彼女の指揮、ナマで見られて、聴けて、感動…


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Profile

sirowaniko

Author:sirowaniko
アメリカ生活も30年超え、NY、MA、DC、TX,CO、CA、OHを経て、今は南部のジョージアに犬猫と住んでいる普通のおばさん。蚊と蚤とトランプ一味以外の生き物が好き。

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