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NYCのホテルに半世紀、一人で住んでいた日本人女性の話

 久々に、ラジオで聴いた話ネタ。NYC、マンハッタンの中心街にあるベルヴェデーレ ホテルに、たった一人で半世紀近くも住んでいた日本人女性のお話。「How one NYC hotel tenant spread kindness for decades(ある一人のNYCホテルの住民が何十年も広げた優しさ)」は、ここで聴けます。その女性の名前は、ハセガワヒサコさん。

 ベルヴェデーレ ホテルは、タイムズスクエアに近いシアター街に位置する、1930年代築の歴史的な高級ホテルです。アメリカではホテル住まいというのは珍しくなく、同じホテルに何十年も住んでいる人達がいて、ホテルが簡易アパートを兼ねていることも多いのです。その多くは安いモーテルですが、ベルヴェデーレ ホテルのような高級ホテルでも、古いホテルには昔の安い料金のまま住み続けている人もいる。

 アメリカの大家と店子の関係は、州の法律によって大きく異なりますが、NY州には強力な居住者保護法があり、レントスタビライズに分類されるアパートは、賃料水準に関係なく維持される家賃凍結型。NYのアパート賃貸料のとんでもない高額ぶりや値上げのエグさは日本でもしばしば話題になりますが、そちらは自由市場型のレントコントロール・タイプ。2019年に賃貸法が改正され、元から店子の権利が強く、大昔から住んでいる店子を追出すのは至難の業のNY州で、更に保護が強化されました。だから一等地のアパートやホテルに何十年も住んでいるお年寄りがいるのです。このベルヴェデーレ ホテルにも、そんな居住者が何十人もいるのだとか。

 208号室に住むハセガワヒサコさんも、そんな一人でした。常に朗らかで、誰に対しても親切で挨拶を忘れなかった。そして、小さな親切に対し、とても手の込んだ美しい手書きのカードを渡した。このホテルで22年間ベルボーイをしているジェリーさんは、毎月、家賃の領収書を渡すと、翌日にはカードが机の上に載っていたそうです。

 彼女は常に一人で、そして幸せそうだった。向かいの207号室に今も住むレネーさんは、夜に自室でピアノを弾くのですが、普通、夜にホテルでもアパートでも、向かいでピアノ弾かれたら迷惑だと思うのですが、ヒサコさんは、「昨夜はピアノを弾いてたわね。とても素敵だわ」と、お礼を言ったそうな。


 2016年のある朝、ヒサコさんが降りてこないことに気付いたジェリーさんが部屋を確かめさせたら、彼女はベッドから落ちて亡くなっていたそうです。ホテルの誰も彼女の家族も友人も何も知らなかった。番組を作成したラジオ局が調べても、やはり、彼女の情報は殆ど無く、1934年生まれで1970年代に渡米したのだろうということだけ。彼女は、ニューヨーク市営の共同墓地であるハート島の無縁墓に眠っているそうです。

HeartIsland2014.jpg
ハート島。白い棒は墓標



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sirowaniko

Author:sirowaniko
アメリカ生活も30年超え、NY、MA、DC、TX,CO、CA、OHを経て、今は南部のジョージアに犬猫と住んでいる普通のおばさん。蚊と蚤とトランプ一味以外の生き物が好き。

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