fc2ブログ
HOME   »  2019年10月05日
Archive | 2019年10月05日

シャドウ/影武者 (ネタバレあり注意)

 とっても黒澤明!って、思いました。ゴージャスな色彩の洪が繰り広げる華麗な画面で知られるチャン・イーモウ監督が、極力、色を抑えた水墨画の世界で描く、「三国志」サイド・ストーリーです。「三国志」の世界を基にしてはいますが、関羽に当たる将軍に髭はないし、なんとやられていまう(><)

 ほぼ白黒な世界なので、血の赤さが鮮烈で効果的ではありますが、ちょっと徹底し過ぎじゃない...?とか、思った。しかも、ずーっと雨降ってるので(雨の描写が古い映画の縦筋と重ならないこともない)し、特に、沛国の囚人たちが、勝ったら解放してやると言われて、ブーメラン型の傘を武器に「女性的な」動きで戦う術を習得して、境州に忍び込む場面は、まんま「七人の侍」やし。二本の傘の間に挟まって、グルグル周りながらやってくるシーンは、正直、笑っちゃった。流石、突飛なアクションでも知られるイーモウ監督!

 影武者の話なので、ダン・チャオが、強大な炎国の楊蒼将軍との対決で傷を負い、ヨレヨレな沛国の英雄、都督と、その影武者の両方を演じています。もうね、折角の一人二役なのに、全く同じ人に見えない~。じっくり大画面で見ると、同じ人が演じているゆえの迫力が伝わるのかもしれませんが、小さなPCの画面で見るには、何かと勿体ない映画でした。予告観た時は、絶対、劇場で観る!って、思ってたのに、気が付くと公開が終わってました。外国映画は、田舎に住んでると、よほど気を付けないと逃しちゃうわ。アカデミー賞の美術賞取って、リバイバル公開してくれないかしら...

 評判は無茶苦茶良くないけど、私は大好きな「グレート・ウォール」で、とてもカラフルな絵と、エンターテイメントに徹した内容をやったイーモウ監督なので、今回は色を抑えて、哲学的ともいえる作品を作りたかったのかな?

shadow kagemusha

 ところで、エンドタイトルの音楽が素晴らしいです。この頃は、最後の最後にオマケ映像のある映画が多 く、常日頃、あくぁ、面倒臭い、なんで観客に自分たちの名前を見せる事を延々強制するかね?何の自己満足だ?一体、配給側にどんな得があるんだ?!劇場側は、さっさと客に出て行ってもらった方が、早めに掃除を始められて有難いんではないのか??等々、苦々しく思っていますが、この映画は、最後まで聴き入ってしまいました。


スポンサーサイト



Profile

sirowaniko

Author:sirowaniko
アメリカ生活も30年超え、NY、MA、DC、TX,CO、CAを経て、今はオハイオに犬猫と住んでいる普通のおばさん。蚊と蚤とトランプ一味以外の生き物が好き。

Link
Ranking
押してくださると勇気凛々です。
カレンダー
09 | 2019/10 | 11
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -
Latest journals
Category
Latest comments
Search form
Monthly archive
Display RSS link.
QR code
QR