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戦争が始まった

 木曜の朝、いつものようにラジオでニュースを聴いていると、早朝、ロシアによるウクライナ侵略、爆撃が始まったという報道。BBCのインタビューに、ロシアの議員と、続いて元ロシア大使で現スタンフォード大教授、全ロシアから出禁のマイケル・マクフォール教授の二人が答えました。二人ともかなり動揺している様子で、ネオナチ化しているヨーロッパからウクライナを護るためと主張してロシアを擁護するロシア議員に対し、マクフォール教授はBBCに対して、このようなプーチンのプロパガンダを世界中に発信する機会を与えたとブチ切れ。余りのインパクトに、なんか、朝から凄いもん聴いちゃったなぁ…と、しばし主題を忘れそうになりました。

 ここ暫くのアメリカのニュースは、ロシア、と、言いますか、プーチンによるウクライナ侵攻の可能性でもちきりで、オリンピックが陰に追いやられた感があり、日本のニュースでは未だ話題のドーピング問題も、アメリカではそもそもオリンピックへの興味が薄れているので、別にどうでもいいのか騒がれない。オリンピック関係の話題では、プーチンは中国の顔を立てて、オリンピックが閉会するまでは侵攻開始を控えるだろうという予想程度。よって、20日の閉会後は緊張が高まっていましたが、それでも24日の早朝の爆撃は、EU諸国にもキエフ市民にも寝耳に水だったような慌てぶりです。

 バイデン大統領は、アメリカは持つ情報を全て開示し続けたといいますが、それにしても、EU諸国が実際に危機感をどれだけ持っていたのか?バイデン大統領はまた、既に先月には、アメリカ市民にウクライナからの撤退を求め、自分の意思で残る人々は、緊急救出を期待しないで欲しいとまで言っていました。アフガンでも、何か月も前から撤退準備をし、さんざ国外退去を呼びかけのに、実際に撤退が始まったら大騒ぎ、内外から政府批判されまくりの痛い思い出もあるし。


 ロシア経済を支える輸出品は、エネルギーと軍需品ですから、最も打撃を与えられる制裁は、エネルギー輸出制限です。でも、そうなるとヨーロッパ諸国のほうが困窮してしまう。軍需品に対しては、G7で足並みを揃えて、半導体を含む先端技術の輸出禁止によって打撃を与えようとしています。また、金融制裁により、ロシアの主要銀行との取引停止、プーチン自身と、その側近の資産凍結と、市民への影響の大きな食糧輸出等の輸出制限や、実際の兵力をウクライナに送って、ロシア軍との直接な対決を避けつつ、包囲網を縮めようとしているようです。

 バイデン大統領は、アメリカ人を前線には送り出さないと約束しつつ、援護のために7000人級の軍をドイツに送り、後方支援を実施します。また、液体天然ガスをEU諸国に供給することで、ロシアへのエネルギー依存を緩和しようとはしていますが、実質、欧州の需要を遠距離輸送のエネルギーで保管しようなんて無理。このような非常時に備え、エネルギーや食糧は他国に頼ることなく自活できるに越したことはないのですが、今の地球上において、100%自給は現実味に欠けるでしょう。それより、冷戦の終結以来、相互補完し続けてきた、あくまでも互いの需要・供給目的の冷たい関係であるにしても、それなりの信用関係にあったロシアの唐突ともいえる動きに、EUも驚いていそうです。どこかに、まさか、本当に侵攻するだろうとは思っていなかったのではないか?

 私にとって謎なのは、プーチンの目的は何なのか、です。現政権を打倒し、ウクライナ本体のNATO加盟を阻み、親ロシアの傀儡政権を樹立させ、東ウクライナとクリミアを正式にロシアの一部としたいのか?ウクライナはNATO加盟を望んでいると表明し、きな臭さが漂ってきたのは数か月前になります。ウクライナとしてはNATOの支援を受けたい、ロシア軍に対する抑止力を求めていたのでしょうが、NATOは当初から、ウクライナの加盟を認めることはないと明言していました。ならば何故、プーチンはウクライナのNATO加盟阻止を口実に攻め込んでいるのか?これをネタにウクライナを吸収し、ソ連邦復活を図っているという意見もりますが、プーチンはそこまでの理想主義、ドリーマーでしょうか?そうはとても思えない。

 日本の記事をヤフーで見る限り、石油価格の高騰や株式市場への影響が懸念され、多くの芸能人がウクライナ支持表明をしていますが、戦争反対、ウクライナ頑張れと対岸で騒ぐことにどれだけの効果があるのでしょうか?駐日ウクライナ大使の支援金送付のために中央銀行が特別口座を開設したとのツイートに応え、送金したという報告も見受けられるそうです。いくら近所に怪しい国々がいるとはいえ、島国であり、戦後、殆ど紛争に関わることなく平和に暮らしてきた日本にとって、今回も遠い国での出来事に過ぎないかも。でも、今回は、湾岸戦争やシリアの内戦よりも影響が懸念されると思います。

 国連常任理事国のロシアが、ルールを破って国際社会秩序を破壊しようとしている。近代社会は、赤新語王は渡らない、というお約束の上に成り立っています。そんなルールがあるから、安心して道を渡れる。でも、ロシアは赤信号だけど突っ切ったって感じ。これで、ロシアがウクライナを占領すれば、軍事力のある大国は、力で国際ルールを破ってもいいyという前例が出来てしまいます。軍事力を持つ大国... ご近所にいますよね... 台湾侵攻、尖閣侵略、そして... 

 日本は未だに、ロシアに領地を占領されっぱなしなのも事実です。このまま、もう住民に日本語を話す人もいない、すっかりロシア化されているからと、風化させてしまっていいものでしょうか?私にはよく分かりませんが、これほどの長きに渡って、国際ルールが無視され続けているのもおかしい。アメリカも、国連で嘘ついて他国に攻め込んだ。大国の強硬な態度に、小国が押し切られてしまっている例の一つであり、なし崩しに拡大する可能性だってあります。本当に怖い。

 ここで最初にロシアのウクライナへの脅しについて書いたのは、去年の12月7日の記事でした。あれから3か月弱、外交による阻止努力は上手く行かなかった...



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ゴッホの耳消しゴム

 イギリス、ロンドンのコートールド美術館が、フィンセント・ファン・ゴッホ展に関連したグッズ、耳の形をした消しゴムを、批判を受けてギフトショップから撤去したそうです。この消しゴム、私も、コロンバス美術館のゴッホ関連展示に行った時に見たわ。思わず写真まで撮っちゃった。

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ホントは、これみたいな耳全部じゃなくて耳たぶの一部らしいけど
結構大きいけど、薄っぺらいから消しにくそうだった

 ゴッホの「耳切り」事件は、精神的な問題を抱えていたゴッホが自分で切って(と、ゴーギャンは言ってる)、マッチ箱に入れて女性にプレゼント、警察沙汰になって、その後、1年間を精神病院で過ごしたので、このような商品を売るのは、「無神経で心の健康の問題を軽く扱いすぎる」という批判があり、販売を中止したそうです。まぁ、確かに趣味は悪いと思いますが…

 ゴッホ自身は速攻で、包帯を巻いた「耳の無い自画像」を二枚も描いています。切ったのが左なのに、自画像では右になっているのは、鏡を見ながら描いたから。自画像の多い画家ですが、極端なナルシストなんだか、逆に自分をも作画対象として客観的に見ることのできる冷徹な芸術家だったのか...

 他の美術館で、ピカソやルノアール等と並んで、ゴッホのフィギュアが売られていましたが、このゴッホ・フィギュアは耳が取り外せる仕様になっていました。これもマズいでしょうね。どうするのかな、アレ?ゴッホのだけ、こっそり仕様変更かな?ダリの髭、ピカソの縞シャツみたいに、ゴッホといえば耳というイメージが定着しているけど、こういったシャレが冗談では済まされない時代になってきているのだな、と。

 人種や国に対する差別への目が厳しくなっているのと同様、心の健康問題や、LGBTQを茶化すような「無神経さ」は、受け入れられなくなりました。私は大阪の人間なので、何でも茶化してしまう傾向があるので特に要注意ですが、随分と生きにくい時代になった、という気がしてしまいます。でも、身長170㎝以下の男性には人権が無いってのには、「それは無いだろー!」って思うけどね。そう簡単に「人権」とか言ったらいかんよ、いくら何でも。


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マスク、本当にしなくていいの?

 州ごとに少しずつ、マスク着用義務がなくなりつつあります。コロナのホットスポットだったニューヨーク州でも、医療施設や学校等を除く屋内でのマスク着用義務が、先週木曜(2/10)から、解除されました。私の住む地域では、今週から学校での着用義務が撤廃されます(但し、スクールバス内では着用が必要)。何度も、コロナ減った~、次の波来た~!、コロナ減った~、新変異株来た~!!を、繰り返しているのに、本当に大丈夫かな~?って、ちょっと心配ですけど。もう、これ以上は、国民の堪忍袋の尾が持たないという決定?

 WHOによりますと、世界中では、最初の接種を終えた人の割合が約6割だそうです。ワクチンは十分にあるのだけれど、低所得各国では、ワクチンを低音に保つためのインフラや、接種をサポートする人員が足りないのが問題です。国との間に仕切りは作れない現代においては、世界中がコロナを克服しなければ、いつまで経っても感染を防ぐことはできません。独立した島国の日本ですら苦労してるんだもん、地続きのヨーロッパとか、自分とこでどれだけ頑張っても無理よね。

 一方、アメリカは、インフラも含めて、ワクチンを接種したければすぐにでも可能なのに、4割が最初の接種すらパスしたまま。予防接種しない自由やら、マスクしない自由を訴えて、派手に騒いでいます。マスクもしなくていいし、ワクチンも打たなくていいから、口泡飛ばして叫ぶんじゃなくて、隔離空間で籠もっててもらいたいねぇ。

 カナダの首都オタワの議事堂前では、ワクチンを打ちたくないトラック運転手たちの、接種義務に反対するデモが続いています。地続きの隣同士でも、カナダはアメリカに比べれば、ずっと常識的という評判で、実際、様々な面でその通りだと思うのですが、このデモももう二週間になりますが、アメリカ、カナダ両国の支援者からの援助を受けて、十分な食料と燃料を蓄えた、自称「Freedom Convoy(自由の護送車団)」は、当分、居座りそうです。

 カナダーアメリカ国境の輸送・供給ラインの重要地点、アンバセター橋を占拠していたトラック隊は、13日にカナダ警察によって排除されましたが、両国間の陸上輸送の25%が利用するこの橋は、アメリカ側はデトロイトだけに、特に自動車関連部品の運送に大きな影響があります。ただでさえ半導体不足で自動車生産が減ってるのに、油に火を注ぐようなもの。

 トラック運転手だけではなく、カナダの現役・退役警官からなる団体、「ポリス・オン・ガード(Police on Guard)」からも、多くの元警官や兵士がデモに参加しているそうです。コロナ規制に反対する勢力は、反対側よりも、ずっと声が大きい。トランプ支持者が、やけに声だけでかいのと一緒。

 そのトランプは早々に、デモが始まってすぐに、参加している運転手を「英雄」「愛国者」と呼んで、支持を表明しています。やっぱり、アメリカにおける半数近くのワクチン反対勢力はトランプに煽られているのだと、確信が持てました。そう言いながら、トランプ自身は、ちゃっかりブースターまでしっかり受けてるくせにね。断固としてワクチンも打たず、マスクもしないで、同じくの支持者の皆さんと密にお付き合いして、コロナで果てたら、むしろ評価するわ。

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当然、マスクはしていない



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源氏と平家

今年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、一週遅れで見ています。北条政子が主人公の「草燃える」がとても好きだったので、思い出しながら、比べて面白がったりしています。来週(私的に再来週ですが)には、推し武将の源義経役で、推しの菅田将暉さんが登場で、ますます楽しみ!スポーツ漫画によくいる、トンデモ戦略を繰る戦(試合)の天才だけど、それ以外では頓珍漢をやらかすアホの子というキャラクターが好きなのですが、そのオリジンは九郎判官かも?今回のドラマでは、人物紹介に「性格に問題がある」と、あるので、更に楽しみです。

 こちらは、源氏側が主体ですが、深夜アニメの「平家物語」は、架空の主人公、琵琶引きの少女、びわの目を通して平家側から、その衰退を見守る作品です。こちらは既に先行で、全11話を見終わりましたが、こちらを先に見ちゃうと、びわの琵琶の養父となった平重盛と、びわとは兄弟のように育った息子たち、武者というよりも都育ちの貴公子たち、その従兄弟の平敦盛、徳子と安徳天皇が可愛い、いい人なので、その末路が分かっているのが辛い。

 びわの存在があり得なさすぎるという批判もすのだと知って驚きましたが、青い瞳で未来を見通す、何年経っても全く成長しない(作中でも指摘されています)ので、人間ではない、精霊のような存在ではないかと勝手に解釈しています。座敷童子とか、琵琶の精とか。

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とても美しいアニメです

「鎌倉殿」、今のところ一番退屈なキャラクターは主人上の北条義時だよね。兄上は良いキャラだったのに、あっさりと亡くなってしまった。「真田丸」では、草刈正雄さん演じるパパ上が魅力的でしたが、今年も坂東彌十郎さんの時政父上がいい。歌舞伎の人だけに、合戦時の立ち居振る舞いも絵になってますね。とはいえ、北条家の盛衰は、尼将軍、政子の姉御に、日本のマクベス夫人、牧の方と、女性たちの暗躍がキモだけに、そこもじっくり、えぐ~く描いていただきたいです。

 草燃ゆるの政子役、岩下志麻さんは綺麗だったなぁ... 鎌倉殿の頼朝公、この情けなくも愛される仕殿は大泉洋さんならではですよね。配役の妙。草燃えるの石坂浩二氏も女好きで奥さんのお尻に魅かれる代将軍を飄々と演じていました。源頼朝と伝えられる、あの白面の貴公子像は実は別人と今では言われていますが、高校の教科書の頼朝公イメージが払拭できません。うん、女好きそうな顔やしな~


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民主主義は死んだ

 また、ニュース見てウガウガ唸りまくっております。連邦最高裁判所が、アラバマの下級裁判所が黒人有権者差別と判断した連邦議会選挙区割りを合法という判断をしたことに。

 人口の4分の一がアフリカ系のアラバマで、アフリカ系有権者が過半数の地域が、あからさまに共和党議席確保のために選挙結果を有利にするため選挙区操作(ゲリマンダー)され、黒人やその他の人種的少数派の有権者の影響力を低下させ、白人有権者の力を最大化するような選挙区割りを作成しました。よって人種差別であると区割り変更を求めた下級審に対し、同州のメリル州務長官と議員2名(ぜんぶ共和党)が緊急の命令執行停止を要請、共和党側に傾いた最高裁で5対4で認められたもの。ちなみに、3人のリベラル派判事と一緒に反対に回ったのは、ジョン・ロバーツ判事。

 だいたい、最高裁判所が保守派6人にリベラル派3人っていう偏向が、もう民主主義じゃないでしょ。この9人の最高裁判事メンバーが、どれだけアメリカの人口を反映しているでしょうか?国の方向を決める全体の代表でなければならないはずなのに、これでは機能していない。

 それに、意図的に選挙区を割って、投票そのものが意図的に一定に有利になるよう操作されていたら、一体、何のための投票なんだか?日本では、青年層の投票率が低く、若者の政治離れとか言われますが、その原因の一つは、どうせ投票してもしなくても何も変わらないという諦めがあるのではないでしょうか。日本の場合、国のトップを直接、選ぶことはできないし、いくら首が据え変わっても、大きな変化が見込めるわけでもない。アメリカみたいに、国のトップを選んだら、180度引っくり返るのも極端で、共に一長一短ではありますが、変革を怖れるおっさん、爺さん達の内輪もめにすぎない国政に、若者たちに興味を持てというほうが無理っぽい気がします。興味を持って声を上げたら、今度はネトウヨだ、パヨクだとかって指さされるだけだし。

 また話が迷走したけど、日本の事はいったん置いといて...

 一つの方向に振れると、逆方向にはずみがつく振り子なのもアメリカの面白い(?)ところ。不満があれば、是正しようとする自浄機能精神が残っているのは救いだと思います。現在、このようなゲリマンダーへの対策として、数学者らは新たなコンピューター・ツールを開発し、アルゴリズムによる客観的な検証を実現しようと取り組んでいるそうです。選挙区分けに実装されるには、多くの妨害や訴訟が怒りそうですが、実現して欲しい。少なくとも、感情を挟まず、統計に基づいて選挙を公平化するのは、民主主義としては正しい方向ではないかと思います。

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トランプの選んだ3人の判事たちが選んだのは。
「投票箱へのアクセスを減らします」 「人種差別的選挙l区分けをします」 「投開票は制限します」



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背中の蜘蛛

 ヤフーの記事に、本を読んでも頭は良くならないってタイトルがあって、そりゃ、そうでしょうと思いつつ、そういえば、本って何のために読むんだっけ?と。もちろん、面白いから、楽しいから、なのですが、つまんな~い、きら~い、と思いつつも読んでいることがあり、もう、読むために読んでいるとしか。それでも、ああ、下らなかった、薄っぺらすぎ!と、毒づくのも楽しいかも?

 前回、図書館で借りてきたのは、女性作家作品ばかりでしたが、今回は男性作家ばかり。別に選んだわけではなく、目についた読んだことのない本を適当に借りてきたら、そうなった。その中でまず、誉田哲也氏の「背中の蜘蛛」を読んでみました。家に帰ってから、しまった!この方の「ケモノの城」はトラウマ本だった!姫川玲子シリーズも苦手だしなぁ、と、思いつつ、でも読む。はーい、後味悪かったでーす。

 ダヴィンチ誌の紹介によれば、「科学技術の進歩により、かつて迷宮入りしていた事件が解決に導かれることは少なくない。では、情報社会の現代において、警察はどのような最新技術を用いて捜査を行っているのだろうか。その方法を知ることはできないが、私たちはあらゆる場所にあらゆる痕跡を残しながら暮らしているような気がする。街中に目を光らす監視カメラ。プライベートがぎっしり詰まった一人ひとりのスマートフォン。すべてが筒抜けと言われるインターネットの世界…。(アサトーミナミさん)」

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 宮部みゆきさんの短編に、町中で増殖する監視カメラと戦う少年と老人のお話があったけど、好むと好まざるに拘わらず、いつ、どこで、誰と、何をしたか、どんなことを言った(投稿した)か等々、なんでもバレバレな世界。気が付かないうちに監視されている。その感覚を恐怖と捉えるか、時代の流れと軽く受け流すか。

 この本は、警察が個人のネット使用歴や監視カメラによる顔認証を駆使して犯人を追い詰めていく、そのために個人情報が密かに開示されていてもいいのか、と、いうのがキモ。ウェブ(蜘蛛の巣)を張り巡らし、事件に関連した情報を拾ってくる「スパイダー」、監視装置の「スティングレイ」、そんな全ての監視分析技術がアメリカから来ているとありますが、そのアメリカに住む私は、何を今更~、と。

 9/11という大義名分を得て以来、アメリカではテロリストの発見、テロの未然防止を名目に、プライバシーなんか幻想。それを普通に受け入れてる自分は、国に飼いならされているのかも。2019年発表の「背中の蜘蛛」は、第162回直木賞候補作品ですが、本の帯が言うように、「これまでの日常には戻れない」ほどに衝撃なら、日本はえらく平和だと思います。

 スーパーで顧客カードをスキャンすると、何を買ったかの情報が蓄積される。それを基に、よく買う商品のクーポンが貰える。自分の情報なんて、膨大な顧客の好みを分析するデータの何万十分の1程度しか役に立たないだろう。もし自分が、誰もが興味を抱く大スターとか、渦中の人物なら、気にするかもだけど、別に気にしてない私は、むしろクーポン貰ってウハウハ。

 映画「エクス・マキナ」では、グーグル創始者的なカリスマ経営者が、主人公の好みそのままのアンドロイドを創る。そのアンドロイドが完璧なのは、主人公が何を検索したかを基にしている。その気になれば、特定個人を知り尽くすことも可能。その割に、無差別銃撃やテロが未然に防止できないんだから、未来を予見する超能力者を使って犯罪を未然防止する、フィリップ K. ディックの書いたSF世界には、まだ遠い。でも、人じゃなくてコンピューターが未来を予測するんだから、もっとSFだね。

 中国でオリンピックが始まりましたが、携帯やアプリを使うなと警告されています。どこで何をやっても見られてる。アプリを使えば情報を抜かれる。それを、国を挙げて国際的に大っぴらにやっちゃう時代。もう開き直って、後ろめたいことが無いんなら慣れるしかないよね、と、思う私です。そんな時代になっちゃんだなぁ...

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なんだか、見られているような気がしない?



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モデルナ敬遠で予約伸びず

 日本では、コロナウイルスワクチンの3回目接種で、ファイザー製が人気で、供給に増えたモデルナ製が敬遠される傾向にあって予約が埋まらないという記事を読みました。1、2回目でファイザー製を打った人が全国で8割であり、モデルナ製の強い副反応や交差接種が懸念されるためだそうですが、3回ともモデルナだった私は、何だか寂しいわ。みんな~、一緒にモデルナ打とうよ~

 私の周りを見る限り、モデルナの方がファイザーより副反応が強いってことは無かったです。ファイザーで高熱が出たという同僚もいたけど、モデルナで平気に出勤してくる同僚もいました。この地域は、モデルナが主力らしく、ブースターは皆がモデルナで、翌日に熱が出た人が一人、頭痛で早引けした人が一人したけど、殆どは集団接種の翌日もピンピンしてた。ブースターがファイザーだった人は、知る限り周りにはいません。私自身は、1回目は一週間後に腕が痒くなった、2回目は倦怠感で翌日ダウン、3回目は少し腕が痛かった。

 予防接種を受けても感染は免れませんが、症状が軽くなるのは既に証明されています。Yahoo記事によると、10万回接種あたりに数回見られる心筋炎の副反応は若干モデルナの方が多い(岡秀昭 埼玉医科大学教授/感染症専門医)そうです。心筋炎も怖いけど、コロナに罹って重症化するのって、今、目前にある危機なんだから、高齢者や既往症のある人は選り好みして待つより、打てる時に早めに打つ方が安心だと思うんだなぁ... 私は、その考えで、接種資格を得たらすぐに飛びついた。うちの近辺なんて、半数以上がワクチン反対の非接種者だもん、どこで菌を貰うか分かったもんじゃない。いくら何でも貰うのが好きな私でも、病原菌はいりません。 

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(マスク義務化、ブースターショット、病院危機)
どうして、いつまで経っても事態が改善しないのかなぁ?



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氷塊が屋根から降ってくる

 先週末は、全米50州のうち、25州、主に中部・北東部ですが、南はテキサス、フロリダまで、本土の半分以上の州が、すっぽり寒気に覆われてました。私の住むオハイオ州中央部、コロンバスの北では、周辺地域も含めて「レベル3」になり、緊急車両以外は通行禁止でしたが、コロラドに住んでいた頃は、学校が休校になるのは一晩で3フィート、約1メートル以上積もった時。地域によって、大きな違いがありますが、この辺も毎年よく降るのに、ちょっと降ったら休校になっちゃうので、打たれ弱っ!って気もする。

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コロラドの思い出。これ、家の前の庭

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しかも、積もった雪が春になっても延々残る
(に、しても、なぜ半袖だ、若息子?)

 今日は晴れて、気温も上がったので、たまに屋根から固まったままの雪というより、半分、氷の塊が滑り落ちてきて、派手に音を立てて砕けています。アパートの屋根は急傾斜なので、日本のベタ雪のようにくっつかずに滑り落ちてくるのですが、これはこれで危険。犬の散歩で家の前歩いてたら、結構な塊が降ってきて、ひえ~!なったわ。

日本でも今週末からの大雪が警戒されるとのこと、どうか暖かくお過ごしくださいませ。



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台風にコロッケ、雪嵐にバナナ

今夜から冬季擾乱、30㎝の積雪と暴風、明日の午後には低気温で氷雨に変わり氷嵐との予報で、私の勤務先オフィスは明日・明後日、全員が自宅勤務と決まりました。きっと会社お休み~♪、と、期待していたので、密かにトホホ。

 10年ほど前に日本では、台風の前にコロッケを買って待機がネット上で流行っていました(多分、2ちゃんねる起源)が、今でもそうなのかしら?今夜からの荒天に備えて、フェイスブックの地元コミュニティーでは、バナナは買ったか?が話題です。そういえば、以前、雪嵐の予報時もそうでした。どこそこの店は未だバナナがあった、どこそこはもう売り切れといった情報が飛び交っていました。アメリカ内で、色々な土地を転々とし、一晩で雪が1m以上積もるロッキー山脈の麓にも住んだことあるけど、バナナ特需は、ここが初めて。土地柄なのか、最近の流行りなのか??

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 もうひとつの冬の謎。日本では雪下ろしが必要で、毎年、その最中に亡くなる方がおられます。アメリカでも、場所によってはかなり積もるけど、雪下ろしってしないわ。車寄せはせっせと雪かきしなきゃならないけど、屋根に上って雪下ろしはしない。上息子は今、アラスカに住んでおり、毎日、雪だそうですが、やっぱり雪下ろしはしないそう。雪質の違い?屋根の構造??不思議だわ...


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犬と猫

 気温は低いけど、風が無く、お日様も燦々で寒さをあまり感じなかったので、昨年末に行ってみた、元石切り場の公園に、ここ数日の低気温で凍っているだろう滝を見に行きました。凍ってない、昨年末の写真は、過去記事のこちら

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おー、凍ってる、凍ってる~

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立派な氷柱が出来ていました

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なんか青い。蒼褪めた犬を見よ、って??

 完全にカチカチに見えますが、氷の裏から水が流れている音が聞こえました。氷の裏では、脈々と流れが続いているのですね。

 ところで、先日、ヤフーで、「メキシコのヌエボ・レオン自治大学の心理学者が、犬と猫の両方と暮らしている人々へのアンケート調査で「犬と飼い主の関係」と「猫と飼い主の関係」を比較した調査結果を発表」したという、興味深い記事がありました(その記事は、こちらです)。その結果では:
  ✔飼い主との関わり合いは猫の方が多かった
  ✔相手を理解することの容易さも猫の方が上だった
  ✔感情的な親密さは犬の方が強かった
  ✔総合的には猫の方が人間との関係性スコアが高かった
だって。これは、「猫よりも犬との感情的な親密さが高いという点を具体的に言うと、犬が社会的支援(散歩などで地域への帰属意識を感じられるなど)コンパニオンシップ、無条件の愛情をくれると回答者が認識していることを示して」いるんだって。なんか、犬の方が感情的親密度が高いんじゃないかって思ってたけど、解釈の仕方なのかな?

加えて、
   ✔メス猫よりもオス猫の方が、より感情的に親密で理解が容易だった
   ✔メス猫よりもオス猫の方が、関係性の総合スコアが高かった
   ✔メス犬よりもオス犬の方が、感情的な親密さが高かった
だそうですが、うちはメス犬、オス猫のコンビだけど、猫はクールで、犬はベタベタ。一般に、♂の方が甘えん坊と言いますが、私の経験では、犬はベッタリ型なのは♀だったし、ヤキモチ焼き。過去の経験から犬猫だけでなく、小鳥ですらそうでした。昔飼っていた手乗りの文鳥は、犬を撫でていると鳥かごの中で怒ってた。逆に文鳥と仲良くしていると、玄関に繋がれている犬(♀)が、ヒーン、ヒーン大騒ぎでした。

 ただ、この散布リハ比較的若い犬猫を対象としているので、10歳以上の高齢のペットとの関係性は示されていないそう。トについては示されていません。元の記事(英語)は、「Pet–Human Relationships: Dogs versus Cats」から。


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sirowaniko

Author:sirowaniko
アメリカ生活も30年超え、NY、MA、DC、TX,CO、CA、OHを経て、今は南部のジョージアに犬猫と住んでいる普通のおばさん。蚊と蚤とトランプ一味以外の生き物が好き。

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