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バベルの塔を建てよう

 また、ヤフー!で面白い記事を読みました。「機械翻訳で求められる「日本語力」 実例で技法を指南」で、井上多惠子氏による『グローバル×AI翻訳時代の新・日本語練習帳』の紹介です。この本では、「普段われわれが当たり前に使う日本語表現を実際に機械翻訳にかけ、どこで、なぜ誤訳が発生するかを具体的に示していることだ。そして、改善のポイントを指摘し、修正した日本語を再び機械翻訳にかける。すると正確に元の文の意図を伝えられる英文になっているというわけだ。」そうです。

 まだ、自動通訳は進化の余地があるということですね。でも、ここ数年の進化はめざましい。出たばかりのグーグル翻訳と、今を比べても、全く性能が違います。違いの大きい日本語と英語ですが、使われれば使われるほどに進化する自動翻訳は、学びによって使用者の意図を理解し、誤解をなくしていくでしょう。ちょっと怖いけど。

 私と同年代の同業者間では、技術翻訳で食っていけるのは私らが最後の世代かもね、と、言い合っています。文芸翻訳だって、AIがお絵かきしてくれる時代だから、訳者の主観に影響されず、むしろ村上春樹風に、とか、ハードSF系でマニア受けするような、とかって原本の雰囲気に合わせたり、読者対象を絞ったような訳をしてくれるようになる日も近いかも。電子書籍を買うと、コンピューターが自動で翻訳してくれて、訳書を待つ必要がなくなるかもしれない。通訳だって、こっちが喋ったら相手の言語を音声で伝えてくれるアプリができるかも…いや、ある程度は出来てますよね。特殊な言語でもない限り、通訳・翻訳って絶滅危機にある職業だと思います。

 ある日、機械翻訳そのままじゃなく、自分で工夫してくださいと指摘されて、ショックを受けました。化学物質名なんかが延々と続いて、単語を調べるのに時間がかかるような場合を除いては、私は機械翻訳は逆翻訳で、自分の作った訳文がちゃんと元のテキストと合致しているかにしか使ってなかったのです。でも、そう指摘されてみると、機械と思われるほどに「つまらない」文章だったんです。かつては、技術翻訳は元の英文なり日本語なりが想像できるほどに正確に、を、文芸なら元の言い回しがそのまんま浮かぶような不自然さは避ける、を、信条にしてきたのに、ここ数年、製造業界で技術翻訳だけをしていたうちに、何の味付けもない、ただ、元の情報を伝達するだけの訳文になってた。

 目からウロコでしたが、逆に、自動翻訳が人間が訳したと同レベルの訳を出力できる、とも言えます。私程度のレベルじゃ大したことはありませんが、意味だけ知りたい翻訳だったら、十分ですよね。私はこの頃、中国のSFにハマっています。次々と英訳を出してくれるケン・リュウさんと、その英訳を日本語にして出版してくれる、日本の翻訳者の方々に感謝!なのですが、SFのみならず日本からも新進の作家さん達による素晴らしい作品がどんどん出ています。でも、日本語からの訳が難しいので、どうしても海外に発表される作品数が限られる。村上春樹さんや小川洋子さんは高い評価を受けているし、日本文学をもっと読みたい人は多いはず。日本語だけじゃなく、スペイン語、ロシア語、ヒンドゥー語… もう言語の壁がなくなれば… あ、バベルの塔??

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今日も賑やかし画像。iPhoneSE、暗いとフォーカスゆるい



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sirowaniko

Author:sirowaniko
アメリカ生活も30年超え、NY、MA、DC、TX,CO、CA、OHを経て、今は南部のジョージアに犬猫と住んでいる普通のおばさん。蚊と蚤とトランプ一味以外の生き物が好き。

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