Archive | 2023年01月27日
カリフォルニアで2日連続、アジア系高齢者男性が銃を乱射、多くが犠牲になった悲劇的な事件で、ヤフーに背後情報を加えた詳しい記事が載っていました(「米国でアジア系による銃乱射事件多発、何が原因でなぜ今なのか」)、元は高濱 賛氏によるJBPressの記事です。普段、このメディアの記事は、どうも信用できない偏ったものが多くて読まないのですが、これは興味深く読みました。
この記事によると、ロサンゼルス郊外モントレーパークで11人を射殺した72歳のベトナム系男性は、現場のダンススタジオの常連で、ここで知り合って付き合っていた女性に交際を打ち切られての恨みではないか、ということが、本人が自殺した今となっては、動機は想像するしかありません。事件の翌日、サンフランシスコ近郊ハーフムーンベイ市のキノコ栽培農園で7人を射殺した67歳の中国系男性の方は、職場で被害者たちからパワハラや暴行を受けていたとの情報があるそう。
高齢者の無差別銃乱射で大量殺人は、実はさほど稀ではなく、2017年になんと61人もの死者を出したラスベガスの銃撃事件の犯人は64歳でした。犯人の死によって、動機は謎のままです。
カリフォルニアでの3日連続銃撃事件では、サンフランシスコ郊外の事件の犯人は確保されましたが、他の2件の犯人は自殺しました。死ぬ覚悟があるからこそ、これほどの行動に出れるのだとも言えますが、他人を道連れにせず1人で死んどけ!って言いたくなる。でも、簡単に道連れを連れていけるのは、銃という非力でも短時間に多くの人命を奪うことが可能な道具が簡単に入手できるからというのは否めないでしょう。

アメリカの中年・高齢男性たち、特に白人で、「絶望死」が増加中なのだそうです。絶望死とは「薬物、アルコール、自殺による絶望の死」のことです。LA郊外の犯人もそうだったのかも。孤独と将来への不安、毎日のように通っていたダンス・スタジオからは疎まれ、嫁には去られ、ガールフレンドには振られた絶望による自棄っぱち行動なのかも。あくまでも私の想像ですが。
絶望死の増加の背景にあるのは、所得の低下だと言われています。大学の学位を持たない労働者階級の実質賃金の中央値は、ここ半世紀、ずっと下降を辿っているのだそうです。日本ではここ30年間、賃金の上昇がないそうですが、アメリカの場合は全体的には賃金は上がっているのに、学士を持たない人々の間では、実質賃金の中央値が半世紀にわたって減少しているため、労働参加率も減少しているという、計量社会学者による大規模な研究結果が出ています。
大学を出ていないので職種が限られた人達には、働き盛りなのに思った通りの仕事が得られない。物価の上昇に収入がついていかない。酒や麻薬に逃げる人もいるでしょう。中西部の田舎に住んでいると、高等教育は無駄だと言い切る人が多い。いち早く働きだして、収入を得ることこそ価値があると。義務教育を終えて社会に出て、手に職をつけ、腕を磨き、自分の価値を上げていくためのジャンプスタート。それは職人さんだけではなく、会社勤めだって同じことです。そのことに異議を唱える気は全くありません。
でも、大学なんて面倒くさい、だからって勤めだしても、特に事情もないのに直ぐ辞めて長続きしない人も多い事を見てきました。日本よりずっと大学進学率の低いアメリカですが、学費が格安で、受験もなく、授業時間が柔軟で働きながらでも勉強できるコミュニティーカレッジ制度があり、教育を受けたい人には、日本よりも恵まれた環境にあります。働き出したけど、なんか合わないから、違う方向も試してみるか、が、日本より簡単にできる。でも、しない。スーパーへ買物ついでに予防接種を受けることができるほどに至れり尽くせりなのに、ワクチン接種率が低いのと同じ。
トランプに熱狂した人達が多かったのは、白人至上主義者とまでは行かずとも、自分が白人であることで優越感を得たい人々の琴線に触れたせいもあったでしょう。有色人種より優れた存在であるはずの自分、労働者として頑張ってきた自分が、なぜ毎月の支払いに追われ、雇用を脅かさているのか?移民や、自分たちの権利ばかり訴える有色人種と、彼らを贔屓する(民主党)政府のせいだ。でも、コロナが猛威を振るっていた頃、「エセンシャル・ワーカー」として、低賃金でもスーパー等で働いていた人々に有色人種が目立ったのはなぜ?
アメリカを再び偉大に。かつては一所懸命働けば報われた。家を買って、子供を育て、55歳になったら退職し、悠々自適だった。それが、今はどうだ。そんな怒りは、改善しない暮らしの中で絶望へと変わっていくこともあるでしょう。そして年金暮らしの高齢者には、物価上昇が生活に直接に響く。なのに世間では、消費が上昇、特に高級品の売れ行きが好調なんて聞くと、自分だけが取り残されたような気持ちになる。かつてアメリカ人にとって、コミュニティーの中心であり、社会的な支援共同体でもある教会はこころの拠り所でした。でも、無邪気に神を信じることのできる人が減っています。今、教会の閉鎖が急増中だそうです。
ならば大学を出ていれば将来は安泰なのかといえば、そうでもない。AIの進化で、人間が単純労働から開放されるのかと思っていたら、今やAIが絵を描き、一流大学の論文を書き、試験に楽々合格する時代。ロボット弁護士が法廷レビュー?なんてニュースも伝えられました(実現しないようですが)。裁判に行ったら、裁判官も弁護士もロボットで、AIが人を裁く。ロボットが知的作業をして、人間が使われちゃうようになるかもしれない。ますます絶望しそう。で、手元に銃…
この記事によると、ロサンゼルス郊外モントレーパークで11人を射殺した72歳のベトナム系男性は、現場のダンススタジオの常連で、ここで知り合って付き合っていた女性に交際を打ち切られての恨みではないか、ということが、本人が自殺した今となっては、動機は想像するしかありません。事件の翌日、サンフランシスコ近郊ハーフムーンベイ市のキノコ栽培農園で7人を射殺した67歳の中国系男性の方は、職場で被害者たちからパワハラや暴行を受けていたとの情報があるそう。
高齢者の無差別銃乱射で大量殺人は、実はさほど稀ではなく、2017年になんと61人もの死者を出したラスベガスの銃撃事件の犯人は64歳でした。犯人の死によって、動機は謎のままです。
カリフォルニアでの3日連続銃撃事件では、サンフランシスコ郊外の事件の犯人は確保されましたが、他の2件の犯人は自殺しました。死ぬ覚悟があるからこそ、これほどの行動に出れるのだとも言えますが、他人を道連れにせず1人で死んどけ!って言いたくなる。でも、簡単に道連れを連れていけるのは、銃という非力でも短時間に多くの人命を奪うことが可能な道具が簡単に入手できるからというのは否めないでしょう。

アメリカの中年・高齢男性たち、特に白人で、「絶望死」が増加中なのだそうです。絶望死とは「薬物、アルコール、自殺による絶望の死」のことです。LA郊外の犯人もそうだったのかも。孤独と将来への不安、毎日のように通っていたダンス・スタジオからは疎まれ、嫁には去られ、ガールフレンドには振られた絶望による自棄っぱち行動なのかも。あくまでも私の想像ですが。
絶望死の増加の背景にあるのは、所得の低下だと言われています。大学の学位を持たない労働者階級の実質賃金の中央値は、ここ半世紀、ずっと下降を辿っているのだそうです。日本ではここ30年間、賃金の上昇がないそうですが、アメリカの場合は全体的には賃金は上がっているのに、学士を持たない人々の間では、実質賃金の中央値が半世紀にわたって減少しているため、労働参加率も減少しているという、計量社会学者による大規模な研究結果が出ています。
大学を出ていないので職種が限られた人達には、働き盛りなのに思った通りの仕事が得られない。物価の上昇に収入がついていかない。酒や麻薬に逃げる人もいるでしょう。中西部の田舎に住んでいると、高等教育は無駄だと言い切る人が多い。いち早く働きだして、収入を得ることこそ価値があると。義務教育を終えて社会に出て、手に職をつけ、腕を磨き、自分の価値を上げていくためのジャンプスタート。それは職人さんだけではなく、会社勤めだって同じことです。そのことに異議を唱える気は全くありません。
でも、大学なんて面倒くさい、だからって勤めだしても、特に事情もないのに直ぐ辞めて長続きしない人も多い事を見てきました。日本よりずっと大学進学率の低いアメリカですが、学費が格安で、受験もなく、授業時間が柔軟で働きながらでも勉強できるコミュニティーカレッジ制度があり、教育を受けたい人には、日本よりも恵まれた環境にあります。働き出したけど、なんか合わないから、違う方向も試してみるか、が、日本より簡単にできる。でも、しない。スーパーへ買物ついでに予防接種を受けることができるほどに至れり尽くせりなのに、ワクチン接種率が低いのと同じ。
トランプに熱狂した人達が多かったのは、白人至上主義者とまでは行かずとも、自分が白人であることで優越感を得たい人々の琴線に触れたせいもあったでしょう。有色人種より優れた存在であるはずの自分、労働者として頑張ってきた自分が、なぜ毎月の支払いに追われ、雇用を脅かさているのか?移民や、自分たちの権利ばかり訴える有色人種と、彼らを贔屓する(民主党)政府のせいだ。でも、コロナが猛威を振るっていた頃、「エセンシャル・ワーカー」として、低賃金でもスーパー等で働いていた人々に有色人種が目立ったのはなぜ?
アメリカを再び偉大に。かつては一所懸命働けば報われた。家を買って、子供を育て、55歳になったら退職し、悠々自適だった。それが、今はどうだ。そんな怒りは、改善しない暮らしの中で絶望へと変わっていくこともあるでしょう。そして年金暮らしの高齢者には、物価上昇が生活に直接に響く。なのに世間では、消費が上昇、特に高級品の売れ行きが好調なんて聞くと、自分だけが取り残されたような気持ちになる。かつてアメリカ人にとって、コミュニティーの中心であり、社会的な支援共同体でもある教会はこころの拠り所でした。でも、無邪気に神を信じることのできる人が減っています。今、教会の閉鎖が急増中だそうです。
ならば大学を出ていれば将来は安泰なのかといえば、そうでもない。AIの進化で、人間が単純労働から開放されるのかと思っていたら、今やAIが絵を描き、一流大学の論文を書き、試験に楽々合格する時代。ロボット弁護士が法廷レビュー?なんてニュースも伝えられました(実現しないようですが)。裁判に行ったら、裁判官も弁護士もロボットで、AIが人を裁く。ロボットが知的作業をして、人間が使われちゃうようになるかもしれない。ますます絶望しそう。で、手元に銃…
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アメリカ生活も30年超え、NY、MA、DC、TX,CO、CAを経て、今はオハイオに犬猫と住んでいる普通のおばさん。蚊と蚤とトランプ一味以外の生き物が好き。
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