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ジョージア・オキーフの写真

 昨日のシンシナティ美術館訪問の目的の一つは、インドの古典的伝統ダンスのパフォーマンスでしたが、もう一つは先週オープンしたばかりの、ジョージア・オキーフの写真特別展「Georgia O’Keeffe, Photographer(写真家としてのジョージア・オキーフ)」でした。アメリカでの巡回展示の最後が、ここシンシナティだって。

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オキーフさん愛用のライカとポラロイド・カメラ、そして取った場所やレンズ口径、シャッタースピードのメモ

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部分修正用のレタッチ・セット・チョコの箱に入ってるの、いいな

 ニュー・メキシコの乾いた荒野で風景、花、そして牛の頭の骨をモチーフに描き続けたオキーフさんの撮った写真は、メディアは違えど、紛うことなき「オキーフ作品」でした。光と影、そして乾き。ご主人が、アメリカ近代写真の父として有名なアルフレッド・スティーグリッツさんだけど、オキーフさんが写真を撮り始めたのは、スティーグリッツさんが亡くなってから。彼女の才能を「発見」し、世に出したスティーグリッツさんの存在が重かったのかもしれません。フェミニスト・アイコンとしての彼女は、メンターでもあった夫からの解放が、同時に男性社会からの飛翔だった...とかって伝記とか読むと書いてありそう(読んだことないけど)。

 他にも、(当時の)若い写真家の撮ったオキーフさんの写真やフィルムも展示されていました。「画家」である自分を取るなという注文があったそうで、たしかに絵を書いているところの写真はありませんでしたが、砂漠から嬉しそうに大きな骨を拾ってきたところや、家の庭に積み上げられた骨コレクション、すごくストイックなイメージだった彼女の人間味が見られた感じ。日本を訪れた時に撮った清水寺の写真もありました。日本にも行ったんだ~

 砂漠に住む孤高の芸術家のイメージの強い彼女ですが、20年以上の間に合計8匹のチャウチャウ犬と暮らしていたそうです。最初の二匹が、1951年のクリスマスにプレゼントとして贈られたボーとチア。下の3枚は、オキーフさんの撮ったボー二世(ボー・ボー)の写真と、スケッチ。写真の説明いわく、「犬の身体は暗く、明るい円筒形の木の幹と重なり合い、同時に梯子の影が犬の形状を深さも重さもない負の空間 --- 影にも見せている」そうです。

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犬好きの私には、彼女のわんこ写真は、光と造形の習作としてより、犬カワイイわぁ、に価値あり。オキーフさんは生涯のモチーフとしての花、自分の取り巻く乾いた光景、そして骨コレクションを深く愛していたそうなので、犬も愛情の対象として被写体になったのかも、って。好きだから描くし、撮る。だって、犬の可愛いとこが捉えられてるし、下のDan Budnikさんによる写真見たら、オキーフさんの作風とは全く違うのにお気に入りの一枚だったそうだけど、モフモフわんこに丸い石。オキーフさんの『好きなもの」だったんじゃない?

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チャウチャウのジャンゴとインカ二世、そしてコレクションの石(1964)
形状と触感に注目したこの作品をオキーフさんは気に入ってたそう。
Budnikさんの作品に惹かれたオキーフさんは、数回、Budnikさんを住まいに招待したそうです。

 展示の多くは、サンタフェのジョージア・オキーフ美術館からの貸出。サンタフェ、ずーっと行ってみたいって思ってる場所です。30年前、米国に来た時の憧れの地でした。あの頃からは随分と商業化も進んで変わってしまったそうですが、やっぱり一度は行きたい、ともいながら、何故か計画を建てない場所。


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sirowaniko

Author:sirowaniko
アメリカ生活も30年超え、NY、MA、DC、TX,CO、CAを経て、今はオハイオに犬猫と住んでいる普通のおばさん。蚊と蚤とトランプ一味以外の生き物が好き。

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