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Jagged Little Pill

 金曜夜のナイトライフ、カナダのシンガー・ソングライター、アラニス・モリセットの1996年グラミー賞受賞アルバム、「Jagged Little Pill」から、その他のヒット曲を元にしたミュージカルを見ました…また、向かいの劇場でのボランティア・座席案内係で、無料で。

 このショーの初演は2019年。こういう既存曲を元にしたショーを、ジュークボックス・ミュージカルっていうんだって。「ジャグド・リトル・ピル」とは直訳するとギザギザな小さな丸薬、良薬口に苦し、嫌な物や苦しい事だけど受け入れたら良い方向へ向かうという意味もありますが、それがギザギザだから、飲込むのが更に大変(Hard to swallowは、受け入れ難い事実という意味)。全米ツアーの公式サイトはこちら。アンサンブルには日本人ダンサーも。日本の若い人が海外で活躍しているのを見るのは嬉しい。そしてメインの一人、力強くソウルフルな歌声を披露するフランキー役は、なんとまだ高校生!

 主人公は、完璧主義者で常に誰よりも優位に立ちたい見栄っ張り主婦、メアリー・ジェーン(これもアルバム内の曲、「Mary Jane」から)。舞台は、MJがクリスマスレターを書いている場面から始まります。自慢の息子のニックはハーヴァード大に合格し、娘のフランキーは詩の才能に恵まれ、夫のスティーブは弁護士でパートナーとしてバリバリ働き、裕福な暮らしをして、ご近所マダム友たちの羨望とやっかみの的。MJは交通事故に会い、手術を二回もしましたが、今は順調に回復し元気いっぱい。でも現実は、MJは事故の後遺症で鎮痛剤のオピオイド中毒、ポルノ中毒の夫との仲は冷切っており、黒人の養女フランキーはボーイッシュな女の子のジョーと付き合っており、かつ白人一家の中でアイデンティティー・クライシス真っ只中。

 優秀で品行方正な息子のニックだけが、メアリー・ジェーン(MJ)にとっての本当の誇りですが、そのニックがクリスマス・パーティーで親友が酔って前後不覚の女の子、ベラをレイプしたところを目撃してしまう。妹のフランキーがベラの被害者としての権利を守るため立ち上がる中、保身のため黙っているべきか、自分の見たことを警察に証拠として報告すべきかで悩みます。ニックは母の求める「完璧な息子」を演じてきたのですが、初めて自分で何かを選ばねばらなくなったのでした。

 主人公を筆頭に欺瞞に満ちた登場人物たちの中で、レズビアンのジョーだけがGenuinな存在。フランキーに裏切られた彼女の心の叫びである第二幕の「You Oughta Know」は、劇の途中なのにスタンディングオベーションでした。

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  正直、このアルバムは知らなかったし、アラニス・モリセットって名前聞いたことある程度でしたが、実は聴いたことある曲ばかりでした。ローリング・ストーン誌の、このミュージカルに対するモリセットのインタビュー、「モリセットが語るメンタルヘルスとの闘い、大ヒット作『ジャグド・リトル・ピル』の記憶」で、ショーでも重要な役割を果たす曲と、その背景が語られ、ストーリーが曲の背景に沿っていたと解りますが、それでもオピオイド依存、人種・性的アイデンティティ、レイプ、ネットでの苛め、信仰の矛盾と、内容を盛込みすぎた気もする。

 3月31日は、国際トランスジェンダー認知の日です。だから今夜の公演は特別です。このショーにはTSの出演者が含まれ、プレイビルには各人の名前の後ろに性的アイデンティティーが示されていました。そして、ショーのあとに、劇中「You Oughta Know」を熱唱してスタンディング・オベーションを受けたジョー役のジェイド・マクレオドが特別なメッセージを伝え、熱烈な歓声を受けました。今夜はグッズの売上の一部がTSの子どもたち支援プロジェクトに寄付されます。内容から、観客は若い人やLGBTっぽい人が多いのかなと思ったら、普通に中高年のカップルが多くって意外でしたが、グッズ売場の列がすごいことになってた。

 ダンスはパワフル、レーザーや背景画面の照射を多用した今時な演出、歌は勿論、名曲。でも、今夜はなんか音響が悪かった気がするのね。たまに音が割れてたよ…


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野球シーズン開幕!

 今日は地元のMLBチーム、シンシナティ・レッズの開幕戦。毎年、開幕を祝って、大規模なパレードが行われます。この街は、やけにパレードとマラソンが多いんだな。オフィスの隣室の同僚は生まれも育ちもシンシナティ、家族と開幕戦に行かなきゃならない(「Must go」って言ってた。もう一家の義務らしいですw)から、今日はお休み。おらが街のチームにかける心意気はなかなかのもの。

 シンシナティ・レッズは、1869年に「シンシナティ・レッドストッキングス」として創設された、アメリカ初のプロ野球チームでもあります。ピート・ローズを要した1970年代には圧倒的な強さを誇り、ビッグ・レッド旋風と呼ばれました。レッズ(Reds)のチームカラーは当然ながらで、チームロゴのCのデザインが広島カープと瓜二つ。カープも圧倒的な地元に支持されるチームですね。でも、このロゴのルーツは、シンシナティ・レッズじゃなくて、同じくオハイオ州のクリーブランド・インディアンス(今はガーディアンズに改名)なんだって。それをレッズ風に変えたのが、1989年に就任した山本浩二監督。小ネタでした。

 私は特に野球ファンではない・・・と、思う・・・けど、実家はちょうど、阪神甲子園球場と今は無き阪急西宮球場の真ん中あたり、小学校の遠足のバスでは、まずはビール的なノリで、まずは皆で六甲おろしを歌う土地柄ですので、野球は常に身近なスポーツでした。私の年代は、サッカーもまだメインストリームじゃなかったし、野球は国民の娯楽No.1だったと思います。野球ならルールも知ってるので、今でも中継してたら何となく見ちゃう。大谷くんを筆頭に日本選手も大活躍で楽しいし!

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先頭を切って白バイ隊

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グランドマーシャルは元レッズの名投手二人

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パレードは今年で104年目だって!

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レッズのマスコット、Mr. Redと…

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Rosie Red嬢です

 開幕戦、パイレーツに4-2で先行されましたが、ちょうど犬の散歩で試合を中継している広場の大スクリーン前を通りがかった時にヒットで同点に!周りの人たちと「Yeah!」って一緒に盛り上がったけど、最終的には4-5で負けました...orz

追記にもっと写真



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バッハ+ヴィヴァルディ=パンクでメタル

 素晴らしいお天気の日曜日、数週間前からちゃ~んと予定を立ててあったのですよ。まずはお昼過ぎの開店を待っての目医者さんで定期検査の予約。その後、軽くファーストフードでお昼を済ませたら、教会の大聖堂でパイプオルガンのコンサート、コンサート前に早めに行って中の素晴らしいステンドグラスの写真を撮る。多少、スケジュールには余裕を持たせて... 完璧でしょ!?が、物事がそう上手く行くはずはなく...orz

 まず、メガネ店付属の目医者に行ったら、機械が動かないから更に20分先のモールにある他の支店に行けと言われる。あいよ~と、軽く返事して行ってみれば、椅子に座ったまま30分以上待たされ不機嫌になる私。瞳孔を開く目薬を指して暫く待機、の「暫く」が妙に長い。ムカつきが顔に出始める私。一時間程度で済む筈の検査に2時間以上かかって心の中は煮えくり返ってるけど、次の予定のために早く出ていきたいので、文句も言わず出ていこうとしたら、肝心の目的である糖尿病による目の疾患を調べる機械がここにはないから、また、元の予約していた支店で予約を取り直してね、だって。

 物凄ーく腹立って青筋ピクピクなワタクシ。だったら最初からそう言えよ!わざわざ、こんな所まで来ないで予約取り直してたよ!白内障の手術したんで水晶体は人工物。眼鏡の処方変わんないし!今のメガネで十分見えるから新しい処方箋要らないし!!メガネ屋だから新しいメガネを買わせたいんだろうけど、そうはいかないよ!!!と、いう心の叫びを飲込み、でも悔しいんで嫌味を残し、今晩はありったけの評価サイトに文句書いてやるー!と、思いながら早足で店を後にする。

 日曜日の混んだモールでは、駐車場を出るまでに長い渋滞。頭の中で考える評価サイトの文面が、どんどん罵詈雑言化してくる。目はチカチカして太陽が眩しいし。でも、午後のコンサートって、ずっと凄く楽しみにしていたんです。遅刻しちゃうけど、ここで諦めたら悔しすぎっ ((;´Д`)ハァハァ ←ここまで前置き(ヲイ!)

 昨年11月にシンシナティとその周辺をガイドして頂いた時に、中で催しをしていたので外からしか見られなかったケンタッキー州コビントンのSt. Mary's Cathedral Basilica of the Assumptionで、大聖堂のパイプオルガンによる、バッハの生誕338年記念コンサートがありました。中にも入ってみたかったし、パイプオルガンも聴きたいし、しかもバッハだから教会・宗教音楽よりも取っつき易そうだし、この機会を逃したら絶対後悔する!

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21本のパイプを有する1889年製の木製オルガンはまろやかで深みのある音
お酒と一緒で、時を経て円熟するのかしら?

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新しいオルガンはパイプが64本!オーボエやフルートのように聴こえる時も(金管仲間だし)
脳に直接来るメタリックな大迫力サウンドと大聖堂セッティングで、異世界にトリップ

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20.4m x 7.3mで、世界でも二番目の大きさのステンドグラス、手工業のものとしては世界最大 

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ステンドグラスは全部で82枚あるそうです

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一枚一枚が皆素晴らしい

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外観(正面玄関を臨む)

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正面から入ったところ

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外観(北側、ステンドグラス裏)

 パティ・スミス姐さん曰く、パンクロックの始祖はモーツアルトだそうですが、壮麗なパイプオルガンで聴くバッハはパンクだったわ。軽やかなチェンバロの室内音楽とか、重々しいバロックなイメージでしたが実は派手だった~(@_@)

 演奏者のMitchell Millerさんが若くて演奏も若さが弾けているのかもしれませんが、生きてた時には作曲家としてよりもオルガン奏者としての方が有名だったというバッハさん、私、あなたへの印象が変わりました。つまんない、古い、なんて思っててごめんなさい。同時代のヴィヴァルディ(「春」だけの男と思うなよ)の曲をバッハ(当世ロックスター)がアレンジした曲は、ビートルズをストーンズがアレンジしました的な古典にして不変の斬新さを感じました。おみそれしました m(_ _;)m

 前回来た時は居たガーゴイルがいないので、教会の人に尋ねたら、割れてきて危険なので新品に取り替える予定だって。ありゃ~!

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11月の写真には、ちゃんといるんだよ

 ステンドグラス越しに降り注ぐ陽光の下、壮麗な音楽を堪能し、心洗われるような経験でした。でも、評価サイトでメガネ屋を星1つで文句書いてやる(←洗われてないw)


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Ault Parkの桜(さっきの続き)

 以前、ここは春には桜が咲くの、と、教えて頂いたAult Park、Facebookでここの枝垂れ桜が咲いているという情報を見たのは、一つ前に書きました。この日は、お天気はいいけど、風が強くて強風警報が出ているほど。桜が散っちゃう~!と、慌てて行きました。ここ暫く、いろんなブログやSNSでたくさんの綺麗な桜の写真を見てきたので、自分も本物の桜を観に行きたくなっていたのでした。日本人は桜を求める心が遺伝子に組み込まれているのかも?

 シンシナティの有志の寄付によって植樹されたソメイヨシノが咲き誇るのは、多分まだ1~2週間後くらい掛かりそうでしたが、枝垂れ桜が8分咲き。嬉しくて写真いっぱい撮った~

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日差の強い日でした

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風にゆらゆら(写真撮るの苦労したw)

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犬もごきげんです

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公園に隣接したお家は借景が最高ですね。いいなぁ




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お買い物と昆虫食と桜

 天気予報は雨で家でこもっていようと思っていましたが、午後にスッキリと晴上がり、こうなったら、じっとしてはいられない!しだれ桜が見頃とFace Bookで紹介されていた公園へ行きました。そして、そこまで行くなら、と、少し足を伸ばして、世界中の商品を揃えた巨大スーパーマーケット、Jungle Jim's(ジャングル・ジムズ)へも。

 更に大きなオリジナルのお店はシンシナティの北にあり、最初にオハイオに来たときには何度か遠征しました。他では見られないユニークな場所なので、カリフォルニアから遊びに来た息子たちを連れて行ったこともありました。今回は、そこよりかは少し近い新しい店舗で、訪れるのは初めてです。派手な外観と内部の装飾はオリジナルと遜色ありません。

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いきなり入り口がこれだ

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とんでもなく沢山の種類のホットソースが一角を占め、その前には消防車がディスプレイ
英語だと熱いも辛いもホットだから

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アジア食品のエリア。このトンデモかつステレオタイプな装飾がたまらんwww

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昆虫入りキャンデーや昆虫食の売り場

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日本で話題のコオロギ食。タイ製、一袋10ドル。試しに買うには高い

 日本のお菓子やら飲み物、納豆も買溜めたし、袋麺もカップ麺も。この後に桜を見に行ったのですが、昆虫食写真のすぐ下に桜の写真を並べて見たら、ぐぬぬ…(。-_-。)ってなったので、二回に分けます。


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シンシナティと陶芸

 火曜日、春分の日。新しい事を始めるのに良い日、古いものを処分するのに良い日だそうですが、いきなり金属製の歯の詰物がポロンと外れた(@_@) WBCの日米決勝戦を見て、緊張と感動にぐぬぬ・・・と歯をくいしばり過ぎたかしら?日米選手共に互いに敬意を持って挑み、そして日本選手の礼儀正しさやスポーツマンシップを体現するかのような爽やかでの勝利。おばさん、感動しました。大谷選手って漫画を超えてる、というか彼が漫画の主人公なら現実味がなさすぎて面白くなそう。だって山田太郎より凄いんだもん。昨年亡くなられた水島新司先生、この優勝を見たら喜んだろうなと思いました。

 そして水曜日、歯医者さんで詰め直してもらったのですが、若い女性の歯医者さんで、しかも、えらい別嬪さんでスタイルもよく、思わず見惚れちゃった(←大口開けたままで)。古い詰物だけど、あまり劣化もしていないそうですが、歯の方が耐えきれず詰物の周りにヒビが入ってるんだって。半分だけクラウン(?)を被せた方が良いということで、治療費の見積もりが435ドル…orz

 と、アップダウンの多かった一週間でしたが、金曜日は朝から冷たい雨。どんより~な気分でしたが、夜はフライデー・ナイト・フィーバーですよ!先月に楽しかった、美術館の「Art After Dark」へ、再び行きました。今月のテーマは、陶芸家のプエルトリコ系アメリカ人、ロベルト・ルゴ氏。先週来たときには不在でしたが、今夜はおられたので一緒に写真取らせてもらった~

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今夜のテーマ・カクテルはピニャコラーダ。当然、頂く!

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館内に設えられたスタジオ

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ルゴ氏によるシンシナティを描いた大きな壺

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ウィリアム・モリスの影響を受けた鳩の王様。私は、下のスポーツしてる雄牛さんたちが好きだ

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ランプも独特、おもしろ~い

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ちゃっかり一緒に記念撮影♡


 シンシナティはアメリカの女性にとって重要な歴史を有する街です。今回の展示も、ルゴ氏とシンシナティの陶芸会社、ロックウッド(Rockwood Pottery)との協力に焦点を当てたものですが、ロックウッド社の作品は常設展でも多くが展示されています。実は1880年にMaria Longworth Storerさんが創設した、全米初の女性起業家による製造業会社なのです!1964年に一度閉鎖されましたが、2004年に復活、今に至ります。芸術工芸品だけではなく、日常使いできるマグやタイル等、幅広く手掛けており、OTRのスタジオに作品展示場とアウトレットがあります。あたし、いつかここで、きれいなタイル買うんだ…

 ロックウッド社の作品には東洋的、日本的な影響を感じる作品が多いのですが、その初期に日本人陶芸家が大きな功績を残していたのでした。以下は、在デトロイト日本領事館のオハイオ州の紹介からの引用です:

★シンシナティと日本:故郷に忘れられた陶芸家、白山谷喜太郎
1887年、石川県出身の陶芸師白山谷喜太郎(しらやまだに きたろう)が外国人技術者(デコレーター)としてシンシナティに招かれ、1880年に設立されたルックウッド陶器社を、米国を代表する美術陶磁器会社とすることに貢献しました。同人の作品は数々の国際博覧会で受賞を重ね、同社は米国のアール・ヌーヴォーを牽引したと言われています。そもそも、同社は、フィラデルフィアで開催された万国博覧会で日本製陶器の美しさに魅了された創立者、マリア・ロングワース・ニコラスが米国でも美術陶器作りの会社をつくろうとして興した会社です。ルックウッド社の作品はシンシナティ美術館で見ることが出来ます。
1890年~1980年代は、ジャポニズムが西欧で人気の時代。シンシナティにもジャパンマニアという日本の工芸を熱狂的に喜ぶ富裕層がいました。白山谷は1886年9月からシンシナティで催された工業博覧会に「日本人村」の陶芸絵付師として参加しました。「日本人村」とは、横浜のデーキン商会が組織して、日本人数十人から百人規模で欧州、米国、豪州を巡回し、日本の工芸、陶磁器の形成や絵付、織物、彫刻などを実演して製品を売ったり、和服の女性がお茶を出したり、曲芸を見せたりする移動式博覧会で、各地で大変評判だったそうです。ニコラスはこの日本人村で白山谷に会い、半年後にボストンのフジヤマ店から呼び寄せたのです。
白山谷はシンシナティに定住した最初の日本人と言われています。白山谷氏は一生独身で通し、1948年7月19日、シンシナティで亡くなるまで、陶磁器の製作に献身したそうです。彼の作品は今でも骨董品収集家の間では最も人気のある作品の一つ。高値で取引されています。しかし、旅行発給記録から出身・身分は石川県士族であり、後に本籍を東京府に移したことは判明したが、何時何処で生まれ、どのような教育を受けたかの記録は未だに見つかっておらず、日本では極めて少数の人たちにしか知られていない「故郷に忘れ去られた陶芸家」ですが、シンシナティには、作品を通じてしっかりと足跡が残っています。

(在デトロイト日本国総領事館HPより)

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こんなんとか。でもこれは白山谷氏の作品じゃないの

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こんな花瓶も。ちょっと怖いよ

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これが、白山谷氏によるお皿。むしろ西洋っぽい?




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何度でも言います。バイデンじいさん、グッド・ジョブやぁ~!

 バイデン大統領が大統領就任以来、初の拒否権を行使しました。労働省の401(K)プランにおける規則維持のためです。401(K)は、アメリカの確定拠出年金制度の一つで、企業の従業員が任意で加入でき、拠出金やその投資収益が加入者の口座に貯まっていくという退職金制度。トランプ政権は、雇用主(企業)側がこの401(K)制度への資金として、ESG(環境・社会・企業統治)への考慮を事実上禁止しました。それに反し、新たに労務省は、企業年金の退職者向け投資を選択し、委任状投票などの株主権を行使する際に環境・社会・企業統治(ESG)要因を考慮してもいいよ、とするもの。

 共和党が過半数を超える上院が、この労務省の新規定を「承認しない」と提案したことに対し、バイデン大統領が、「そんなモン許さん!」と、大統領特権を突きつけたのです。だいたい、この労務省の規則のどこに、連邦政府が阻まねばならないような問題があるのか、私、全くわからないんですけど!

 この提案が、共和党が多数派の下院で通過した後、民主党が多数派の上院でも、民主党のジョー・マンチン議員らが賛成に回って可決していました。マンチン、またオマエかぁ~っ!コイツは民主党の議員でありながら、頻繁に党の意向に逆らうことで悪名高きウェスト・バージニア州の議員。最高裁にトランプの推したレイプ犯、キャバノー指名に民主党員で唯一、賛成票を投じ、バイデン政権の鳴り物入りだった社会福祉インフラ投資法案にも造反、銃砲規制や妊娠中絶等、民主党が推進する政策にいちゃもんをつけ続けてきました。昨年までは、民主党と共和党の上院議席は50-50で、最終決定権を握るハリス副大統領の採決で民主党有利とはいえ、民主党で誰か一人でも造反したら法案が通らないという綱渡り状態でした。その中で、反対するぞー、と、脅したのがこのマンチンで、結果、民主党の投資提案は大幅に縮小しなければならならなかった(`o´)

 ともあれ、バイデン大統領は、「ESGが市場、産業、ビジネスに重大な影響を及ぼすことを示す証拠は豊富にある」とし、年金運用でリターンを最大化するためのESG重視は両立すると声明を出しました。環境問題が地球全体を脅やかし、再生可能な代替エネルギーへの移行が進んでいる中、欧米は国を挙げてガソリン車をやめてEVにしようとか言ってるし、個人レベルでも使い捨てのビニール袋辞めてエコバッグ持とうとかって風潮の中、環境関連(E)の産業が伸びる可能性は高い。社会的にも多様性重視が加速化してるし(S)、銀行が軒並み共倒れするような現状からも企業統治(G)も注目されてきそう。製造業の会社に勤めていた時、大きな会社でもないのに、コーポレート・ガバナンスは否応なしに対応しなくっちゃならない重要事項でした。これらはもう、投資先を考える時に無視できる要素じゃないと思う。

 私は投資のことは全くわからないのですが、素人考えで、ESGは時代の潮流、気候変動は明らかに経済的なリスクを孕んでいるし、年金のことを考える時にESGを考慮するのって、普通に投資のリスクやリターンを考慮する他の要素と同じように重要だと思うのです。アマゾンやマイクロソフトといった巨大企業は、温室効果ガスの排出を正味ゼロにすると公約していますし、投資先の選択に温暖化や気候変動への考慮を禁止するって、正直、意味わかんない。誰か私にも判るレベルで説明して欲しい。

 今回の拒否権行使は、資金管理者がESGを投資対象の選択時の考慮に含めることを強制するものではありません。トランプ政権のESGを考慮することに対するペナルティーを無くし、世にいうESG資金とかインパクト投資とかを選択肢に含めても良いとするもので、これで、そういった方面への投資が増えるかどうかも確定していません。あくまでも、楷書の資金管理者の裁量に任せるというものです。これを禁止したトランプ政権がバカ理不尽すぎるし、共和党はトランプから乳離しつつあるのかと思ってた私が甘かったんでしょうか。


 この頃なんだか、バイデンさんのプロパガンダみたいなことばっかしてるけど(←バイト代は出ない)、本当に、お爺ちゃん、いい仕事してるなぁって思ってるんです。

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「どうせ、これらが爆発する頃にはワシはいないし」
むしろ先がないから大胆なことができるのかもよ

 もうね、バイデン爺さんが安心して派手なことできるように、民主党に心強い候補に出てほしいよ。上は、銀行への政府の資金援助による救済とか、債務上限とか、国民健康保険とかの、爆発・破綻しかねない米国財政の危機を、バイデンさんが蹴っ飛ばしている漫画。バイデンさんのお年を揶揄した随分と酷い漫画だけど、もう危ない橋を渡ってでも大胆なことをやらないと、アメリカはお先真っ暗ですよ。私みたいに、年金や高齢者医療保険を当てにしている庶民にとって、年金や高齢者医療保険の行方は死活問題。完全破綻はしないという私の予想は高を括ってるだけかもしれないけど、既に現状維持の安全牌だけでどうにかなる状況じゃないって心配してます。銃問題も財政問題も、なにか新しいことしないと行き詰まり。まさに、「Do something.」ですよ!


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生け花について学びました

 イベントの多い日曜日でした。朝から犬連れでパークの里親募集イベントに行き、支援のテントで犬おやつを買い、ご近所組合のブランチに参加してからついでに買物して(←会場がスーパーのお二階)、その後に張り切ってシンシナティ美術館へ。おでかけ好きな私にとっても、一日で三箇所でのイベント参加は、自分比で活発な日。

 美術館へは現代陶芸家のRoberto Lugoさんが館内に仕立てられたスタジオで実演してるって言うんで、それを観に行ったのですが、今日は不在だったの…orz でも、華道の歴史の講演と、草月流の生け花実演を見ることが出来ました!

 館内のイベントのスケジュールを見て案内の方に尋ねてみたら、ああ、そんなのあったねぇ、と、心許なかったけど、美術館が主催ではなく、美術館のアジア芸術部門の協賛支援を受けているシンシナティ・アジア美術協会(The Cincinnati Asian Art Society)のイベントで、広報を兼ねて一般オープンというイベントだったようです。むしろラッキー!

 シンシナティに長い、草月流師範のTeruko Nesbittさんが、スライドを使って華道の歴史を講義した後に、実際に3種類の異なるタイプの花器に生け花を挿すデモをしてくださいました。無造作に挿しているように見えて、計算されているかのような出来栄えにタメイキです。いけばなに多くの流派があるってことくらいしか知らなかったけど、その歴史や、流派による特徴の違い等、新しい知識を得られました。私も素敵にお花をさせるようになりたいな。実は、ほんの少しだけ小笠原流のレッスンを受けたことがあるのですが、オノレの美的センスの無さをつくづく再確認しただけだったわ…orz

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実演中

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春らしくて素敵

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モダンな感じ

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伝統的?



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なんだかよく分からない

「トッツィー」3回目、今夜は脇役二人のキャストが代役でしたが、実は私はこっちの方が好きだった。

 劇場の同じ建物内に、コンテンポラリー・アートのギャラリーがあります。向かいに現代美術館、アートホテルの付属ギャラリー、そして、このギャラリーと、近代芸術のギャラリーが道を挟んで近距離に三角形に並んでいます。全部、入館は無料。劇場のギャラリーは今週から新しい展示になったので、ボランティアに入る少し前に行って見てきました。毎回、新しい展示を見るたびに、「うん、よくわからない」って思うんだけど、今回の展示もよく分からなかったwww

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ご飯食べてる壺

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歯を磨いてる壺

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アダムズファミリーに出てくるオバケとパンズ・ラビリンスのオバケの合体?

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うねうね動きます。見ていると自分もうねうねしてしまいました

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わんわん!

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何が何だか?

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もうどうでもいいや

 わたくし、近代芸術とは、「何だかよく分からない」、を、楽しむものなのだって境地ですよ。また新しい展示になったら、きっと見に行って、うーん、わからない…って言いながら写真撮るんだわw



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バイデン大統領、銃規制強化へ頑張る

 がんばれ、超頑張れ!

 とはいえ、ま~た共和党がガーガー言ってるんですけどね。

 バイデン大統領は既に、「ゴースト・ガン」と呼ばれる、3Dプリンターで自作した銃等、未登録なので追跡ができない銃を規制する大統領令を2021年4月に発令しています。22年6月には超党派の21歳未満の銃購入時の身元調査拡大などを盛り込んだ法案に署名していますし、今回は銃購入時の身元調査拡大等の大統領を発令すると、1月の旧正月ダンスパーティーで11人が犠牲になったカリフォルニア州モントレー・パークで発表しました。

 その一環である、「Red Flag Laws」は、警察や家族が裁判所に、銃を使って自分自身や他の人に危害を及ぼす可能性がある人から一時的に銃を取り上げる申立てることができるようにする規制。危険信号に赤旗振って警告するんですね。銃規制そのものではありませんが、その購入・保持・使用者の規制で、19州+ワシントンD.C.で制定されています。勿論、この規制だけで銃犯罪を十分に阻止できることはないでしょうし、この法を悪用して理不尽に銃を取り上げられたと批判する人も出てくるでしょう。でも、バイデンさんの言う通り、「Do something(何かしなきゃ)」無しに、このままズルズルとそこいらで誰でも殺人兵器を持って歩けるような状態じゃ、何も変わらない。

 でも、銃規制をしようとするたびに出てくるのが、銃を所持する権利を認めた合衆国憲法の修正第2条。規制反対派は、この権利の侵害だと、この憲法を持ち出してくるんです。だ~、も~、憲法から変えちまえ!この憲法の制定は1791年!二本では江戸時代ですがな。お侍様が二本刀で道を歩いてましたがな。時の将軍は第11代、徳川家斉。田沼意次さんをクビにして、寛政の改革した時代の人。その頃の法律を盾にするなんて、時代錯誤なんて生易しいモンじゃないと私は常日頃思うんですけど。法律も脳味噌も化石になってじゃないかと思うんですけど。日本の憲法改正議論とか比じゃないと思うんですけどっ(←、以上、一気にまくし立てました) 

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このバイデンさん、中指立ててるみたいに見えて驚いたけど、立てたくなる気持ちはわかる

 シリコンバレー銀行が急に破綻したり(何も知らなかったので、いきなり銀行が破綻したと聞いて驚いた)、FRBの融資が爆上がりしたり、公約でキャンセルを謳っていたアラスカの大規模石油掘削プロジェクトの縮小実施を認めざるを得なくなっちゃたり、頭痛の種は多いけど、頑張れ、バイデンさん!脳卒中や心臓発作を起こさない程度に超頑張れ!

 ところで、上の通り、採掘プロジェクトは承認されたものの、環境保護団体の反対意見は強く、実際に採掘ができるまでには何年もかかるので、次も民主党政権なら準備期間中にまた禁止されちゃう可能性がありますし、オバマ政権時代の禁止措置に基づいて、北極海のボーフォート海の約300万エーカーが石油・ガスリースを無期限禁止地域にしちゃったので、北極海域における石油開発はできなくなります。密かにグッドジョブ。



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アメリカ生活も30年超え、NY、MA、DC、TX,CO、CA、OHを経て、今は南部のジョージアに犬猫と住んでいる普通のおばさん。蚊と蚤とトランプ一味以外の生き物が好き。

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