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アメリカン・フィクション(ネタばれ注意)

 アメリカが年で一番か二番目(?)に熱狂する、スーパーボウル・サンデーです!何かとパーティーの好きなアメリカンは、寄り集まってスーパーボウル鑑賞会などをして盛り上がります。私は、お気に入りのシンシナティ・ベンガルズのQB、ジョー・バロウ君がシーズン開始直後にいきなりケガして今期全滅。NFL史上最高額で契約延長したばかりだったのに…orz ベンガルズの成績も振るわず、私のNFLへの興味も今期全滅。住んでる間にプレーオフにまで進んで盛り上がったのが、運が良かったのね。

 そのプレーオフで敗れた相手、カンザスシティ・チーフズが二年連続でスーパーボウル進出。対戦相手はサン・フランシスコ49ersでした。結果は下馬評通り、チーフズが優勝。テーラー・スイフト嬢が恋人のTE、トラヴィス・ケルシー君の応援に日本から爆速で駆けつけ、今年のスーパーボウルの話題の半分は持って行っちゃった感が。昔からのガチNFLファンの中には、面白くない人もいるらしいですが、これまで興味のなかった若い世代や女の子達が、テイラー嬢のお陰でアメフトを見て、興味を持ち出した功績は大きいと思うの。

 スーパーボウルの試合の展開も劇的なら、あんまりに出来過ぎな話で、全ては仕組まれているなんて陰謀論がありますが、スーパーボウル進出まで左右できるほどの力があるなら、そもそもトランプが大統領になった*/
りしないって!そのトランプは、この場でテイラー嬢がバイデン支持を表明するんではないかと戦々恐々でした。この時期に、そんな身の危険を冒すほど、彼女はバカじゃないでしょwww

 そして、そんな浮世とは外れた私は、日曜の夜はアマゾンで映画「アメリカン・フィクション」を観ました。正直、この映画が日本でも公開予定(「アメリカン・フィクション」Prime Videoで独占配信、2月27日から)なのは意外、と、言いますのも、アメリカ限定みたいな小ネタが満載だったから。

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 主人公のモンクはその名の通り、文句の多い黒人小説家。家政婦のいるボストンの立派なお家に加え、ビーチハウスも所有しているような裕福な上流家族の出身です。人種についての文学講義で生徒からの苦情が出て、勤め先のLAの大学から地元であるボストンでのブックフェアに出席するよう言われますが、要は暇を出されてしまったのでした。モンクは嫌々、ボストンで家族と再会しますが、いきなり母を介護していた妹が心臓発作で急逝。整形外科医である弟はゲイであることがばれて奥さんと子供に出ていかれ、財産も家も全部取られてすっからかん。そして自分は体のいい失業の身。それまで距離を置いていた家族から、急に母の面倒その他を観なければならなくなってしまいます。

 自分の高尚な本は全く売れない一方で、「黒人っぽい」小説が絶賛されているのにムカついたモンクは、やけくそで「黒人っぽい」ステレオタイプの小説を、Stagger Lee(19世紀の黒人犯罪者で歌にもなっている)という偽名で書いたら、これが実際に出版されたばかりか、売れに売れて、権威ある文学賞にノミネートされるわ(しかも、自分がその選考者の一人になる)、映画化の話は持ち込まれるわ。

 バカな!とは思ったものの、老母がアルツハイマーにかかり、介護施設に入れるには高額が必要…と、いうわけで、お金目当てで世間の目から逃れる黒人犯罪者のふりを始める、というお話。態度はもちろん、発音を含む言葉使い、スペリング、飲物の好みまで、自分とは全く違う「タフなブラザ」を演じ、ストレスたまる。正直、いくらフリをしても、Tシャツから出る腕にタトゥーが全くないあたりでバレバレって気もしたけどね。秘密と矛盾を抱えて、主人公とは互いに一目で魅かれ合った魅力的なガールフレンドとの仲もぎくしゃく、つには完全に怒らせてしまいます。しかも、ベストセラーになったせいで、FBIが犯罪者である覆面作家、スタッガー・リーの調査に乗り出し、冗談じゃすまなくなってきた…

 強烈に皮肉が効いていますが、毒々しさは全く無くて、そこここでクスリと笑いながら、ほっこりするシーンも多く、私は好き。#BLMとか、黒人の歴史を学ぼうとかって威勢よく気合を入れても、そのこと自体が「黒人」をステレオタイプに押し込めて特別視しようとしてるんじゃないの?って、チクリとされたような気もする。私が学生だった頃に、ハーヴァード出身で母校で長年教えてきた黒人教授(もう亡くなられたけど、品の良い素敵な方だったわ)や、フルブライト奨学金でイギリスの名門大学、ロンドン・スクール・オブ・エコノミックスに留学して学位を取った(当時は)若い黒人教授も、普通におられた。

 ワシントンDCで働いていた30年以上前、上息子を妊娠中の私に地下鉄で席を譲ってくれるのは、なぜか黒人青年だけ、と、言ったら、黒人の友人が「僕たちは黒人の若い男であるというだけで偏見の目で見られるから、特に紳士であろうと常に気を使ってるんだよ」と言っていたことも思い出します。ここ南部でも、上品な黒人紳士、レディーに出会います。うちの近所では、「Fxxk」と「Sxxt」多様の、太い金の鎖をぶら下げたタトゥーだらけの兄ちゃんが主流だけどねー
 
 映画には、元になった原作があるのかもしれないけど、主人公と互いに一目で魅かれ合ったガールフレンドが公選弁護人である設定が全く活かされていないのは残念だと思った。彼女こそ、タフな黒人のストーリーを熟知し、理解しているはずだもの。最終的に、黒人へのステレオタイプを笑い飛ばし作品であることを明かし、映画もその方向で撮る軌道修正はできたものの、ガールフレンドは相変わらず返事をしてくれない。でも、仲直り出来たら、今度は二人で、黒人へのステレオタイプの偏見をなくすために協力できるかな…と、思いました。


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sirowaniko

Author:sirowaniko
アメリカ生活も30年超え、NY、MA、DC、TX,CO、CA、OHを経て、今は南部のジョージアに犬猫と住んでいる普通のおばさん。蚊と蚤とトランプ一味以外の生き物が好き。

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