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全ては真実... シェークスピアの庭

原題の、「All is True(すべて真実)」は、シェイクスピアの最後の作品、「ヘンリー8世」のオリジナルのタイトルであり、この映画のお話の内容と、それに対する監督の思いが込められています。「シェークスピアの庭」という邦題も、グローブ座が全焼し、故郷のシュトラスフォードに帰ったシェークスピアが、早逝した息子、ハムネットのために庭を作るお話なので、そのまんまではあるけれど、私は、映画を見た後に邦題を知り、モチーフの一つに過ぎないと思った庭造りが、実は、このタイトルを付けた日本の配給会社さんの専門家の方が、より深い意味を感じて前面に押し出したのかもと、今一度、映画について考えてしまいました。

  「シェークスピアの庭」というタイトルは、老いたシャーロック・ホームズが、曖昧な記憶を辿りつつ、誤って伝えられた事件の真相を明かそうとする、 「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」を思い出させました。引退して陽光溢れる田舎で養蜂をしているホームズの、事件解決、日本人への旅と共に描かれるのが、家政婦とその息子との交流。美しい景色の中で進む、穏やかで、温かい作品で、私の大好きな一作です。で、この感じかと思ったら、ショック受けちゃうかも…な、重苦しく悲しい映画でした。でも、ユーモアを交え、救いもあり、なにより自然の風景が美しい。

 私が、最初にケネス・ブラナー監督を意識したのは、主演・監督の「ヘンリー5世」(1989年)です。その後も、数々のシェークスピア作品の映画を作り続け、満を期しての、バード自身の物語。イアン・マッケラン、ジュディ・デンチと、当代一のシェークスピア役者たちを揃えての一作。前作、「オリエンタル急行殺人事件」では、ちょっとはしゃぎ過ぎ、前に出過ぎの感がありましたが、今回は、しっとりと老いた人間シェークスピアを暖かく描き、演じています。人類史上最高の作家と文盲の妻、娘との葛藤、息子の死の真相、そして豪華なベッドの秘密。作品全体が、屋内の暗さだけではなく、常にどんよりと曇った空の中に対し、明るく輝く作息子との思い出のシーンが、後から一層、ずしっと来る。

 その正体(?)すら、未だ議論の的であるシェークスピアを、伝説的な偉人としてではなく、史実の残された断片を盛り込みながら、苦悩し、後悔し、嫌みを言ったり言われたり、故郷に残素た家族との溝を埋めようとする夫、父としての、一人の人間として描いた、地味だけど、いい映画を見たなぁ…って、思える映画でした。

 ところで、私的に「いい映画」の評点の一つは、犬が出てくるころ、で、可愛いこと。私、犬が大好きなんで。シェークスピアの庭づくりにちょっかい出しに来る隣の駄犬、出番は少ないけど、いい味出してた。好き。





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アメリカ生活も30年超え、NY、MA、DC、TX,CO、CAを経て、今はオハイオに犬猫と住んでます。蚊と蚤とトランプ一味以外の生き物が好き。

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