fc2ブログ
HOME   »  時事  »  香港、自由と民主主義への戦い

香港、自由と民主主義への戦い

 香港のデモは、天安門事件の起きた6月4日直後だったので、最初はてっきり天安門の30周年(もう、そんなになるのね!)のデモかと思っていました。でも始まりは、刑事事件の容疑者を中国本土への引渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案への抗議でした。これが可決されれば、反体制派とみなされた人々の本国連行が可能になります。今回の抗議行動のリーダーたちは、この案が通れば正に本土連行の末、懲役対象になってしまうでしょう。それほどに、勇気ある行動だったのです。

 この件を説明するラジオの番組によると、元々は、若い香港人カップルが台湾に旅行に行った時に、夫が妻を殺害、スーツケースに詰めて放棄の後に帰国。台湾と香港の間の刑事事件取り決めでは、香港で犯人を逮捕して法で裁けないんで、じゃ中国本土に引き渡して、そこで裁こうってのが始まりだそうです。実に複雑。これだけ聞けば、真っ当ですが、香港に住んで中国政府に関する記事を書いていた外国人ジャーナリストですら、中国本土で身柄を拘束されたり、香港市民が本土で行方不明なんて事例にも事欠かないそうですから、この台湾での事件を利用して、本土政府が香港司法制度への介入を謀ったって、普通、思うよね?

protesters.jpg
ネットで話題になった、救急車に道をあける抗議者たち


 香港では、暴動などではなく、200万近くもの人々が黒いシャツを着て行進するという抗議行動には、ガンジーの説いた「非暴力、不服従」の精神が感じられ、市民の成熟度が伺えます。デモ側に暴力行動がないのに、催涙ガス等で暴力的に制圧しようとする警察のせいで、かえって香港市民への国際的な支持が強まったように思います。一方で、警察側の軽率な判断には、本国の意思があったのでしょうか?

 15年近く前、ラジオ番組の中で急伸してきた中国を、「身体は成長し、力は強いけど、中身は成熟していない、アメフトのスターの高校生」と例えていましたが、その頃から本土の政府は経済力の伸びと共に、どんどん増長するばかりで、熟成したとは言い難いように思います。世界の失笑をかっている、習近平に似てるから、くまのプーさん禁止なんて規制は、明らかな証拠でしょう。

 この案の審議の無期延期の発表に続き、現地時間の18日に、キャリー・ラム行政長官が、中国本土への容疑者引渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に対する混乱について謝罪したことで、一応は、香港市民の勝利と思っていいのでしょうか?でも長官は辞任しないし、条例の撤回も未だ公にしていないので、今後とも、あの手この手で香港の取り込みを謀ってくるでしょう。

 一国2制度の原則に明白に背く、この改正案がきっかけとはいえ、これは、天安門と同じ、自由と民主主義のための戦いです。30年を経ても未だ、本土では共産党の独裁体制に揺るぎが見られません。でも香港市民は、これからも常に目を光らせ、断固と戦い続けてほしい。今回の断固たる香港市民の皆さんの行動が、世界に中国政府の反民主的さを知らしめることで、ウイグル、チベットに対する弾圧からの開放への道へもつながればいいなと思います。

 しっかし、香港弾圧や規制強化で、外国企業が逃げ出したら、経済的に大打撃。貿易を巡って喧嘩中のトランプ政権も、るチャンスだとばかり、突っ込んでくるんじゃないかな?中国共産党は、自分たちの首を絞めると思うんだけど、それでもヤダヤダ!俺たちの言うこときかなきゃヤダ!って、子供っぽい権力亡者ある。アメリカにも、同じようなのがいるけど、こういうのが権力を握ると、本当に手に負えないね。
関連記事
スポンサーサイト



Comment
Trackback
Trackback URL
Comment Form
管理者にだけ表示を許可する
Profile

sirowaniko

Author:sirowaniko
アメリカ生活も30年超え、NY、MA、DC、TX,CO、CAを経て、今はオハイオに犬猫と住んでいる普通のおばさん。蚊と蚤とトランプ一味以外の生き物が好き。

Link
Ranking
押してくださると勇気凛々です。
カレンダー
05 | 2023/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
Latest journals
Category
Latest comments
Search form
Monthly archive
Display RSS link.
QR code
QR