二人殺害しても無罪放免
はい、わたくし、また怒っております。金曜日は会社帰りの車の中で、一人絶叫いたしました。毎度、私の怒りの叫びを聞かされる我が愛車、Rav4くん、本当にすまん。
警察の黒人への暴力や人種差別への抗議がピークを迎えていた昨年夏、8月23日、ウィスコンシン州ケノーシャでは黒人男性が白人警官に背後から何発も警官に撃たれる事件が起き、激しい抗議活動が行われていました。これに参加していた3人を銃撃し、うち二人を殺害、一人にけがを負わせたカイル・リッテンハウス被告(当時17歳)に対し、12人の陪審員から成る陪審団が5つの訴因全てにおいて無罪の評決を下しました。因みにこの陪審員、一人黒人で残り全員白人でした。
無罪の決め手となったのは、当時の様子を映したドローンの記録で、これによって、命の危険を感じたリッテンハウスの正当防衛だったという主張を認められました。亡くなった二人は武器を持っていませんでしたが、リッテンハウス被告を追いかけて武器を奪おうとしたジョーセフ・ローゼンバウム氏にリッテンハウスが発砲し殺害、「あいつが銃撃犯だ!」と銃を奪おうと追ってきた数人に対し、転倒した被告が発砲、アンソニー・フーバー氏を射殺。こ。そして、被害者の応急処置に駆け付けた救急救命士のゲイジ・グロスクロイツ氏に発砲。の映像は広くアメリカ内で拡散されています
グロスクロイツ氏が銃を携帯しており、被告とともに銃口を向け合うことがあった、よって、被告は自己防衛のためにやむを得ず発砲したのだ、という解釈です(ただし、実際にリッテンハウス被告がグロスクロイツ氏を撃った時、氏は両手を上げて攻撃の意思はないと示している最中だった)。この3人が犠牲にならなければ、より多くの被害者が出ていたかもしれない。そのことに対する正当防衛は、全く考慮されなかった。
被告のカイル・リッテンハウスは当時17歳で、凶器のAR-15 セミオートマティック等、ライフル銃器の使用資格はなかったけれど、わざわざ借りて、自分の住むイリノイ州から、縁もゆかりもない隣の州のケノーシャにわざわざ来て、夜間外出禁止令にも違反して、自称、警備団を名乗っていました。そんな被告に対し、警官は、わざわざご苦労なんて言って、水のボトルを手渡していた。彼を勇敢な自由の擁護者であり、暴動の中で武装する自らの権利を行使した愛国者とする支援者も多く、彼の弁護のために多額が寄付された。
この評決に対し、民主党は非難し、共和党は歓迎と、実に判り易い反応。トランプも祝福の言葉を送っています。一方でバイデン大統領は、ホワイトハウスでジャーナリストに対し、「陪審員の評決を支持する。陪審員制度は機能しており、私たちはそれに従わねばならない」と。余りにもトホホな事勿れ発言ですが、これから予想される混乱の抑制には、最も無難な対応かも。
ですが、バイデン大統領はまた、裁判は見ておらず、評決も聞いたばかりだとしながら、「この裁判は、私自身も含めた多くのアメリカ人に怒りと懸念をもたらした」とも言い、けれども、抗議者には「法の支配に沿って、平和的に意見を示すよう皆さんに求める」と述べています。「民主主義において、暴力や破壊のいる場所はない」と。
それでも、このまま収まるとは思えませんが、今回の評決は再び、合衆国憲法修正第2条(銃を持つ権利)を巡る論争となるかもしれません。事件のあったウィスコンシン州では公での銃の携帯が認められており、大型ライフル下げて近所のスーパーに買物に行こうが、人が多く集まる場所に行こうが合法。そして今回の評決は、武装した民間人が路上で人を撃って殺しても正当化できると証明されてしまった。次は、また学校が襲撃されて子供たちが被害者となっても、誰かが自分を襲おうとしたからで無実になるの?

ウィスコンシン州では、17歳がロト購入、飲酒、投票は違法ですが、人を撃ち殺すのは合法です
ところで日本在住のネット民の皆さんは、また被害者をレイプ犯だの何のと、どこで得たのか謎の情報を持出し、銃やチェーンを持って犯人を襲ったとか書いていますが、追い回したのは事実ですが、発砲し、一人を射殺した自動小銃を構えたリッテンハウスを取り押さえようとした、その時にスケートボードで殴り掛かった者はいたことが動画で確認されています。セミオートのライフル対スケートボードですよ。トランプを妄信する人々と同じ人たちなのでしょうが、なーんで、また、鬼の首を取ったように嬉々として、民間人のガキが殺る気満々で乗り込んできて、実際に人殺しをしたのが無実になって喜ぶかね?こういう人たちは、実際にデモに行く勇気も無いだろうにね。
アメリカは病んでるけど、日本にも病んでる人はいる。ただ、実行には移せない連中ばかりなのが幸い?
警察の黒人への暴力や人種差別への抗議がピークを迎えていた昨年夏、8月23日、ウィスコンシン州ケノーシャでは黒人男性が白人警官に背後から何発も警官に撃たれる事件が起き、激しい抗議活動が行われていました。これに参加していた3人を銃撃し、うち二人を殺害、一人にけがを負わせたカイル・リッテンハウス被告(当時17歳)に対し、12人の陪審員から成る陪審団が5つの訴因全てにおいて無罪の評決を下しました。因みにこの陪審員、一人黒人で残り全員白人でした。
無罪の決め手となったのは、当時の様子を映したドローンの記録で、これによって、命の危険を感じたリッテンハウスの正当防衛だったという主張を認められました。亡くなった二人は武器を持っていませんでしたが、リッテンハウス被告を追いかけて武器を奪おうとしたジョーセフ・ローゼンバウム氏にリッテンハウスが発砲し殺害、「あいつが銃撃犯だ!」と銃を奪おうと追ってきた数人に対し、転倒した被告が発砲、アンソニー・フーバー氏を射殺。こ。そして、被害者の応急処置に駆け付けた救急救命士のゲイジ・グロスクロイツ氏に発砲。の映像は広くアメリカ内で拡散されています
グロスクロイツ氏が銃を携帯しており、被告とともに銃口を向け合うことがあった、よって、被告は自己防衛のためにやむを得ず発砲したのだ、という解釈です(ただし、実際にリッテンハウス被告がグロスクロイツ氏を撃った時、氏は両手を上げて攻撃の意思はないと示している最中だった)。この3人が犠牲にならなければ、より多くの被害者が出ていたかもしれない。そのことに対する正当防衛は、全く考慮されなかった。
被告のカイル・リッテンハウスは当時17歳で、凶器のAR-15 セミオートマティック等、ライフル銃器の使用資格はなかったけれど、わざわざ借りて、自分の住むイリノイ州から、縁もゆかりもない隣の州のケノーシャにわざわざ来て、夜間外出禁止令にも違反して、自称、警備団を名乗っていました。そんな被告に対し、警官は、わざわざご苦労なんて言って、水のボトルを手渡していた。彼を勇敢な自由の擁護者であり、暴動の中で武装する自らの権利を行使した愛国者とする支援者も多く、彼の弁護のために多額が寄付された。
この評決に対し、民主党は非難し、共和党は歓迎と、実に判り易い反応。トランプも祝福の言葉を送っています。一方でバイデン大統領は、ホワイトハウスでジャーナリストに対し、「陪審員の評決を支持する。陪審員制度は機能しており、私たちはそれに従わねばならない」と。余りにもトホホな事勿れ発言ですが、これから予想される混乱の抑制には、最も無難な対応かも。
ですが、バイデン大統領はまた、裁判は見ておらず、評決も聞いたばかりだとしながら、「この裁判は、私自身も含めた多くのアメリカ人に怒りと懸念をもたらした」とも言い、けれども、抗議者には「法の支配に沿って、平和的に意見を示すよう皆さんに求める」と述べています。「民主主義において、暴力や破壊のいる場所はない」と。
それでも、このまま収まるとは思えませんが、今回の評決は再び、合衆国憲法修正第2条(銃を持つ権利)を巡る論争となるかもしれません。事件のあったウィスコンシン州では公での銃の携帯が認められており、大型ライフル下げて近所のスーパーに買物に行こうが、人が多く集まる場所に行こうが合法。そして今回の評決は、武装した民間人が路上で人を撃って殺しても正当化できると証明されてしまった。次は、また学校が襲撃されて子供たちが被害者となっても、誰かが自分を襲おうとしたからで無実になるの?

ウィスコンシン州では、17歳がロト購入、飲酒、投票は違法ですが、人を撃ち殺すのは合法です
ところで日本在住のネット民の皆さんは、また被害者をレイプ犯だの何のと、どこで得たのか謎の情報を持出し、銃やチェーンを持って犯人を襲ったとか書いていますが、追い回したのは事実ですが、発砲し、一人を射殺した自動小銃を構えたリッテンハウスを取り押さえようとした、その時にスケートボードで殴り掛かった者はいたことが動画で確認されています。セミオートのライフル対スケートボードですよ。トランプを妄信する人々と同じ人たちなのでしょうが、なーんで、また、鬼の首を取ったように嬉々として、民間人のガキが殺る気満々で乗り込んできて、実際に人殺しをしたのが無実になって喜ぶかね?こういう人たちは、実際にデモに行く勇気も無いだろうにね。
アメリカは病んでるけど、日本にも病んでる人はいる。ただ、実行には移せない連中ばかりなのが幸い?
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判決が出た瞬間の映像をテレビで見ました。
こんなことが正当化されるって、自由の国だから?
まるで濡れ衣を着せられていたのが、疑いが晴れたように涙を流して抱き合って・・・。
2人亡くなったという事実は何処へ消されてしまったんでしょう。
こんなことが正当化されるって、自由の国だから?
まるで濡れ衣を着せられていたのが、疑いが晴れたように涙を流して抱き合って・・・。
2人亡くなったという事実は何処へ消されてしまったんでしょう。
なっつばー様
リッテンハウスは裁判の最中にもえんえん泣いてたし、結局は、バカな子供のいきった浅はかな行動を、周りの大人が持ち上げてるだけなんだと思います。今度はバイデンを訴えるとか言ってるし、トランプは喜んで祝辞を送るし、周りが盛り上がりすぎ。正気の沙汰ではありません。この先、マトモな人生は送れないでしょうし、ある意味、このバカも犠牲者かと思います。
今、アメリカでは、ジョギングしていた黒人青年を白人三人が追いかけて射殺した事件の裁判が行われています。まさかとは思いますが、こちらも「正当防衛」とか言い出したら、また暴動がおこるかも...
今、アメリカでは、ジョギングしていた黒人青年を白人三人が追いかけて射殺した事件の裁判が行われています。まさかとは思いますが、こちらも「正当防衛」とか言い出したら、また暴動がおこるかも...
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アメリカ生活も30年超え、NY、MA、DC、TX,CO、CAを経て、今はオハイオに犬猫と住んでいる普通のおばさん。蚊と蚤とトランプ一味以外の生き物が好き。
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