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ミュージカル ハミルトン

 職場まで歩いて5分!これほど有難いことはないのですが、街中のお家賃は高うございます。通勤のためのガソリン代が要らないことに加え、ランチに家に帰れる(ついでに犬を散歩に連れ出しておくと安心して帰りに寄り道できるw)、食料品買出しも、図書館も徒歩圏内、節約、セツヤク、節約!大阪のおばちゃんの面目躍如!

 なのですが、街の暮らしは誘惑が多いざますよ。劇場が近くにあるんで、ほいほいチケット買っちゃいますわよ。お昼ごはん何日分やねんっ!?!と、突っ込みながら、ブロードウェイ・ミュージカルの「ハミルトン」みてきました。コロンバスの公演は切符買えなかったのね。ここでも、もう売り切れてるだろうなってダメ元で見てみたら、まだ私的に良い席=高すぎないけど、最後列とか端っこじゃない席が買えました。夜の公演だって、お向かいだから無問題。駐車場代もゼロ。なんという贅沢!

 既に観た方たちに、予め曲を予習したほうが楽しめると教えてもらったので、切符を買ってから毎晩せっせとYouTubeでサントラ聴いて備えました。ディズニー+の劇場中継映画もありますが、最初にベストキャストで観ちゃうと「なんか違う…」ってなるかもよ、と、いう意見もあり、中間取って、音楽は予習、舞台は先入観なしで見ることにしました。

hamiltonmusical.jpg

 さすがの人気作品だけに、会場は満席でした。音楽、振付け、ライティング、演出、本当に一瞬たりとも目が離せない。素晴らしかったです。後から劇場中継版も見ましたが、ナマとPC画面の大きな差だけでなく、正直、今回のキャストのほうが良くない??って、思っちゃったくらい。見終わった後は、なんだか気持ちも体も怒涛の波に押し流されて、頭が漂流してたです。

 オリジナル・キャストはアレクサンダー・ハミルトンがリン・マニュエル・ミランダ御本人、イライザ・ハミルトン夫人は「モアナと海の伝説」のモアナ役だったフィリッパ・スー。カリブからの移民、ハミルトンを、同じくプエルトリコからの移民であるミランダさんが歌い、ニューヨークの裕福な名家の令嬢、イライザを中国人の父と白人の母を持つフィリッパ・スーが演じました。今回、私の見た2022年ツアーでは、メインのハミルトン、第三代副大統領のハミルトンの親友にしてライバル、アーロン・バー(Aaron Bur)、初代大統領、ジョーシ・ワシントンは黒人のキャストでした。

 ラファイエット侯爵(Marquis De La Fayette)と、第三代大統領、トーマス・ジェファーソン(二役)は、韓国系のDavid Park。ええとこの出であるラファイエットとジェファーソンのチンピラぶりは、劇中でも美味しい役です。ハミルトンとジェファーソンの議会での討論はラップ・バトルで見所の一つですが、キレが良くて素晴らしかった。物凄い早口なのに、セリフがはっきりと聞き取れる。ダンスのステップも複雑だし、誰にでもできる役じゃなさそう。アンサンブルには、日系(?)のYokoyama Sayuriさんの名がありました。

 中継版は字幕付きで見ました。中継版は、舞台では見えなかった役者さんの表情が見られるのがいいですね。それに、一人暮らしの家の中なので、カラオケ状態で一緒に熱唱しつつ踊れます(ヲイヲイ)。ウチの長所は、元オフィスビルだけに防音が鬼!実はショーの間中、隣りに座ってるお姉さんが一緒に歌を口ずさんでたんです。私はアンタの歌を聞きに来たんじゃない!彼女の声を聞きたくないから、ずっと前のめりで見てたわ。ミュージカル観劇ルールの一つとして、一緒に歌わない!を加えてほしい。劇場中継だけではなく、映画化という噂もありますが、実現してほしいものです。アンジェリカ役はビヨンセだったら素敵だな。

 アメリカに来てすぐ、英語学校の宿題でハミルトンのことを調べたのですが、きっかけは、お札の人たちの中で一際男前だから(#^.^#) 首都D.C.の財務省前に立ってる銅像もかっこいいv お札の人という事しか知らなかったけど、その出自、移民でありながらアメリカの建国の父となり、色々と浮名を流した挙げ句、決闘で死ぬとか、かなり驚きの人物だった。大河ドラマの主役みたい。

 劇中では、奴隷制について語り合う場面もあります。ジョン・アダムズは奴隷を所有していなかったし、ハミルトンは奴隷制に批判的だったと言われています。過大評価ではないかと疑問を呈する声もありますが、歴史研究として新たに光が当てられるの良いけれど、キモはそこじゃない。アメリカの歴史を語る時に避けて通れない奴隷制という負の遺産を、建国の父たちの時代に語らせることに意義があると思います。華を添えるスカイラー姉妹の存在も、かなり脚色されているけど、歌って踊る歴史の教科書じゃないんだし、大河ドラマだって史実だけだったら、三谷幸喜さんも要らんし、1月中に飽きるわ~


 ハミルトンのオフ・ブロードウェイでの初演は2015年、初の黒人大統領であるオバマの時代に生まれました。翌年、2016年にオバマ大統領夫妻に招かれ、ホワイトハウスでライブを行っています。孤児で私生児、何の後ろ盾もなくカリブの小島から寄付でニューヨークにやって来た若者が、その才覚でワシントンの右腕として上り詰め、国の基礎を築いた事実は、ポスト・トランプ時代の今だからこそ語り直される価値が増していると思います。最初から、多人種を取り入れたキャスティング、ヒップホップで語られる「建国の父」たちの物語は、「リトル・マーメイド」のアリエルが黒人とか、「ウェストサイド・ストーリー」や、ミランダ自身の「イン・ザ・ハイツ」での、ラティーノ役はラティーノだけで映画化という流れを、超越しちゃった。

 劇中で「海の向こうの小さな島」と揶揄される英国、時折出てくる巻き舌なジョージ三世(この役だけは常に白人みたい)も、たまたまエリザベス二世逝去直後だけに、コミック・リリーフである英国王の歌詞が重く感じられます。この時代に、この劇を見られてよかった。リン・マニュエル・ミランダさん、あんたホンマに天才!!この時代に生きててくれてありがとう。

 

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Comment
私、まだ観に行っていないんです。羨ましいです。
義弟一家は、ブロードウエイに行って観賞。姪っ子が、感動したって話してくれました。私も、早く行きた〜い。
キャットラヴァー様
ぜひ、ぜひ!!
すっごく良かったです!
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sirowaniko

Author:sirowaniko
アメリカ生活も30年超え、NY、MA、DC、TX,CO、CAを経て、今はオハイオに犬猫と住んでいる普通のおばさん。蚊と蚤とトランプ一味以外の生き物が好き。

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