パブリック・図書館の奇跡
寒波襲来中のシンシナティで、寒波襲来中のシンシナティ図書館の一夜を描いた映画を見ました。「パブリック・図書館の奇跡(公式サイト)」は、2018年のアメリカ合衆国のドラマ映画。エミリオ・エステベス監督・脚本・製作・主演。Wiki先生の紹介曰く、「ホームレスの人々に同情して、ともに「パブリック」=公共図書館に立てこもることを決意した図書館職員たちを描いた社会派サスペンス」だって。サスペンスになるのか…
あらすじは最後まで詳しく上記のウィキペディア・サイトにありますが、舞台は、今改装中で私が、早く書架に入りた~い…イギギ…している図書館。開館とともに図書館に入館し、閉館まで暖をとる常連ホームレス達が、閉館時間になっても外に出たら凍死してしまうからと居座ることに決め、自らもアル中ホームレスだった過去のある図書館職員のグッドソン(エミリオ・エステベス)が共に居残ることにした。でも、この行動を政治利用しようと企む市長に立候補中の検察官に「人質を取って立てこもり」、と、されてしまい…というお話。この検察官を、クリスチャン・スレーターが実に憎々しく演じ、かつてブラッド・パックと呼ばれたキラキラしたアクターたちの一員だった、エステベスもスレーターもじっくり熟成されたなぁ(自分もトシ取ったわ)、と、感慨に浸りつつ、相変わらずキラキラのトム・クルーズ、やっぱり凄いと感心。
原題は「The Public(公共)」だけに、社会的公共支援について考えさせられる映画です。市長候補ライバルの地域に根付いた黒人牧師とから、お坊ちゃまで庶民の事なんか分らない揶揄されるクリスチャン・スレーターの市長候補、選挙の宣伝CMに出てくるのが白人だけなのも笑える。一方で警察の有能な交渉人(アレック・ボールドウィン)の息子は、白人で恵まれた環境にあったにもかかわらずドラッグ中毒になって、復員兵やメンタル問題を抱えたホームレス達の中に混じっていた。最初から最後まで自分勝手な若者として描写されていた彼、この一件で何かを学んでくれればよいのですが。
ホームレスには復員兵が多くいます。精神的に病み普通の生活に戻れない。国のために戦ったのに、十分な福利厚生支援も得られず住む場所さえ失う。ランボーが、ベトナムから帰ってきたら駐車場ですら雇ってもらえないと叫んだころから何ら変わっていません。そして、視聴率の取れる都合の良いセンセーショナルな報道をするメディア。メディアにホームレスを代弁して、主人公はスタインベックの「怒りの葡萄」を引用する。後で、お前、知識をひらけかしてばかりでウザいよ、って言われるけど、それは言える。でも、彼には自堕落な生活から本を読むことで抜け出せた、本に命を救われたという自負があります。
極寒の外にホームレスたちを放り出せないという良心は、立て籠もりになり、そして十分なシェルターを提供せずにホームレスたちを見放している公的機関(パブリック)へのデモとなる。初めは警察側にいた図書館長も途中で加わり、市民(これもパブリック)は毛布や服を持って支援に駆けつける。そして決着はなんと、皆ですっ裸で投降。武器なんか隠し持ってませんよ、と、示すとともに、突入寸前の機動隊は呆れ、ニュースでは映せない~((^∀^*))

1978年以来の大寒波だった今週末、公民館が暖をとるためのシェルターとして開放されましたが、図書館は含まれていませんでした。
以下、小ネタ:
― 図書館の向かいのピザ屋さん、チーズだけならMが$10.50のラ・ロサは今は郊外にしかなくって、チーズだけのMは$11.50だった。まだ、図書館前に支店があったら、ピザ買いに行きたかった。
― 主人公グッドソンのアパートの部屋にラフカディオ・ハーン(小泉八雲)のポスターが貼ってあるけど、八雲は実はシンシナティに深い関わりあり。面白いエピソードを教えてもらったので、機会があれば紹介したいです。
― 図書館3階の立て籠もり場所の入り口に貼ってあるのは、黒人解放の雄、フレデリック・ダグラスの顔
― 外に居る人たち、この寒波が今回並だったら薄着すぎ。
― いくら図書館ドアからバスまでの短距離でも、氷点下20℃(風が吹いたら体感温度氷点下40℃)なら危険。この時は昨日ほどの寒波程という設定ではないのかも(昨日、一昨日って、そこまでトンデモな気温だった?)
― 入り口前の白熊はいったい何??
― エンディングのインスピレーションで、お父さんのマーティン・シーンの名前があって、クスってなった。ハリウッド最後の(?)バッド・ボーイ、弟のチャーリー・シーンとは対照的に、兄ちゃんは堅実な道を歩んでるね。
最後に、この邦題、「奇跡」は違うでしょ!と、言いたい。勝手に起きたんじゃなくて、頑張った結果だからね。
あらすじは最後まで詳しく上記のウィキペディア・サイトにありますが、舞台は、今改装中で私が、早く書架に入りた~い…イギギ…している図書館。開館とともに図書館に入館し、閉館まで暖をとる常連ホームレス達が、閉館時間になっても外に出たら凍死してしまうからと居座ることに決め、自らもアル中ホームレスだった過去のある図書館職員のグッドソン(エミリオ・エステベス)が共に居残ることにした。でも、この行動を政治利用しようと企む市長に立候補中の検察官に「人質を取って立てこもり」、と、されてしまい…というお話。この検察官を、クリスチャン・スレーターが実に憎々しく演じ、かつてブラッド・パックと呼ばれたキラキラしたアクターたちの一員だった、エステベスもスレーターもじっくり熟成されたなぁ(自分もトシ取ったわ)、と、感慨に浸りつつ、相変わらずキラキラのトム・クルーズ、やっぱり凄いと感心。
原題は「The Public(公共)」だけに、社会的公共支援について考えさせられる映画です。市長候補ライバルの地域に根付いた黒人牧師とから、お坊ちゃまで庶民の事なんか分らない揶揄されるクリスチャン・スレーターの市長候補、選挙の宣伝CMに出てくるのが白人だけなのも笑える。一方で警察の有能な交渉人(アレック・ボールドウィン)の息子は、白人で恵まれた環境にあったにもかかわらずドラッグ中毒になって、復員兵やメンタル問題を抱えたホームレス達の中に混じっていた。最初から最後まで自分勝手な若者として描写されていた彼、この一件で何かを学んでくれればよいのですが。
ホームレスには復員兵が多くいます。精神的に病み普通の生活に戻れない。国のために戦ったのに、十分な福利厚生支援も得られず住む場所さえ失う。ランボーが、ベトナムから帰ってきたら駐車場ですら雇ってもらえないと叫んだころから何ら変わっていません。そして、視聴率の取れる都合の良いセンセーショナルな報道をするメディア。メディアにホームレスを代弁して、主人公はスタインベックの「怒りの葡萄」を引用する。後で、お前、知識をひらけかしてばかりでウザいよ、って言われるけど、それは言える。でも、彼には自堕落な生活から本を読むことで抜け出せた、本に命を救われたという自負があります。
極寒の外にホームレスたちを放り出せないという良心は、立て籠もりになり、そして十分なシェルターを提供せずにホームレスたちを見放している公的機関(パブリック)へのデモとなる。初めは警察側にいた図書館長も途中で加わり、市民(これもパブリック)は毛布や服を持って支援に駆けつける。そして決着はなんと、皆ですっ裸で投降。武器なんか隠し持ってませんよ、と、示すとともに、突入寸前の機動隊は呆れ、ニュースでは映せない~((^∀^*))

1978年以来の大寒波だった今週末、公民館が暖をとるためのシェルターとして開放されましたが、図書館は含まれていませんでした。
以下、小ネタ:
― 図書館の向かいのピザ屋さん、チーズだけならMが$10.50のラ・ロサは今は郊外にしかなくって、チーズだけのMは$11.50だった。まだ、図書館前に支店があったら、ピザ買いに行きたかった。
― 主人公グッドソンのアパートの部屋にラフカディオ・ハーン(小泉八雲)のポスターが貼ってあるけど、八雲は実はシンシナティに深い関わりあり。面白いエピソードを教えてもらったので、機会があれば紹介したいです。
― 図書館3階の立て籠もり場所の入り口に貼ってあるのは、黒人解放の雄、フレデリック・ダグラスの顔
― 外に居る人たち、この寒波が今回並だったら薄着すぎ。
― いくら図書館ドアからバスまでの短距離でも、氷点下20℃(風が吹いたら体感温度氷点下40℃)なら危険。この時は昨日ほどの寒波程という設定ではないのかも(昨日、一昨日って、そこまでトンデモな気温だった?)
― 入り口前の白熊はいったい何??
― エンディングのインスピレーションで、お父さんのマーティン・シーンの名前があって、クスってなった。ハリウッド最後の(?)バッド・ボーイ、弟のチャーリー・シーンとは対照的に、兄ちゃんは堅実な道を歩んでるね。
最後に、この邦題、「奇跡」は違うでしょ!と、言いたい。勝手に起きたんじゃなくて、頑張った結果だからね。
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これ、この前テレビが壊れる前に観ました(笑)
ピザは美味しそうでした、僕もデカイのかぶりつきたいです^^
日本でも図書館はホームレスが結構いると聞きました。
近年の夏冬は強烈ですしねぇ。
昔、日本橋で働いてた時、冬の朝は定期的にホームレスがシャッター前で凍○してたの思い出しました。
ピザは美味しそうでした、僕もデカイのかぶりつきたいです^^
日本でも図書館はホームレスが結構いると聞きました。
近年の夏冬は強烈ですしねぇ。
昔、日本橋で働いてた時、冬の朝は定期的にホームレスがシャッター前で凍○してたの思い出しました。
JUNxxx様
壊れちゃったんですね~(TT)
定期的に凍○って…
特に大きな事件が起こるでもなし、地味だけど、見終わった後に気分のいい映画だと思いました。
休みになったら、例のピザ食べに行きます!チーズで、持ち帰りで家でトマトとベイジル足して。
定期的に凍○って…

特に大きな事件が起こるでもなし、地味だけど、見終わった後に気分のいい映画だと思いました。
休みになったら、例のピザ食べに行きます!チーズで、持ち帰りで家でトマトとベイジル足して。
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アメリカ生活も30年超え、NY、MA、DC、TX,CO、CA、OHを経て、今は南部のジョージアに犬猫と住んでいる普通のおばさん。蚊と蚤とトランプ一味以外の生き物が好き。
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