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美術館でツアーに参加

 またまたハイ美術館に行ってまいりました。いくら元を取りたいからって、行きすぎだろ?なのですが、実は今日の朝にメンバー対象の、学芸員さんによるツアーがあるのです。メンバー対象だけに、深いお話や解説が聞けるのかと期待したのですが、いきなり、印象派の説明から始まって、やや不安になる。

 作品に添えられた解説って、各々の美術館で個性があるのですが、ここの解説は、作者の顔の肖像か写真が添えられ、作品の背景や入手の経緯が説明されていて好き。でも全部を読むのは大変なので、多くは簡単に流し読みして、興味をひかれたものだけ読むことになるので、見過ごしていることって多いから、こういったツアーで目玉な特定作品の説明や、裏話的なお話が楽しみです。

 印象派とは?で始まった時には、この値段でわざわざ会員になろうって物好きな客が、印象派って何ぃ~?とは、ならないと思うんだけど…と、思いましたが、その後は、作品の解説に移り、色々と面白いお話が伺えました。前回、初めて来たときに、ヨーロッパ美術の展示室には、どっかのお屋敷に飾ってそうな作品ばっかだなぁと思ったのですが、そもそも、この美術館は地元の資産家であるハイ夫人(だから、ハイ美術館)が自宅のサロンを公開したのが始まり。その後、ハイ邸の跡地に美術館が建てられ、多くの展示されている作品は、個人の寄付によると教えてもらいました。道理で…って納得。

 そして、今日の「へぇ~」は、この絵

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 モールス信号で有名なモールスさんが、自分の家族を描いた絵です。19世紀のお金持ちの間では、肖像画を描いてもらうのが流行していましたが、NYやフィラデルフィアといった都会まで出かけて人気の肖像画家を雇えるほどではない人たちの需要に応えるために、街から街を巡る肖像画家がいて、モールスさんも、そんな一人だったそうです。

 こういった巡回肖像画家はカタログを持っていて、絵に描いてほしい衣装やアクセサリーを、その中から選ぶことが出来たんだって。ポーズをとったモデルを前に顔は仕上げて、服や装飾品は後から仕上げることもあったそうですが、後から、もっとお肌を滑らかにして、とか、鼻を小さめにとか、手書き版フォトショもあったでしょうね。
 
 ヨーロッパ美術の間で個人的に気になった絵は、17世紀のバロック画家、ジョヴァンニ・バッティスタ・ガウッリ(Giovanni Battista Gaulli、バチッチオとも)による二枚並んだ大作。右は息子のイサクを生贄にささげようとする預言者アブラハム(イサクの燔祭)、左は洪水を生き延びた後、神に感謝の生贄を捧げるノアとその家族(ノアの燔祭)が描かれています。生贄好きすぎでしょ。

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アブラハムの息子のノアと家族を描いたこの二枚の宗教画

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立川のあの方もこう言ってるますが、

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左は、その神への捧げものをする絵で、この中で唯一、画面のこちら側を見ているのは

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左下のこの品の良いわんこ(犬種はオータニさんの犬?)

 どうも、この絵の中でお焚上げする人間たちを、わんこが冷めた目で「コイツラ、あほじゃね?」と、問いかけているように思えるのは、私が不信心な罰当たりだから?前回、気になったので、今日は題材になっている旧約聖書の内容を調べてきました。だって、せっかく洪水を生き延びたのに、いきなり斧で首を切られる牡牛さんと羊さん…orz 

 箱舟には番い一組づつが原則だけど、清い獣(牡牛と羊)と清い鳥(鳩)は複数乗ってたので、この羊さん、牛さんが焼かれても、まだ残ってるから今もこの世に羊さんたちが存在するんですねぇ。この絵の中の白鳩さんも、清い鳥だし、捧げもの候補なんでしょうか?平和の象徴のはずなのに、焼き鳥にされるって… 諸行無常ですね。ま、ノアさん一家も食べなきゃなんないし、大事業の後だから肉でも食べて精を付けねば…って、食べたんだよね?

 ちなみに「燔祭」は英語では「Holocaust」です。ホロコーストの被害者は、神に捧げられた犠牲者、と、いう解釈なのでしょうか?ですが、この二枚のタイトルはホロコーストという言葉は使わず、「Abraham's Sacrifice of Isaac」と「The Thanksgiving of Noah」になっています。


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モールスがモールス信号の発明者であることは知っていましたが、彼が画家だとは初めて知りました。Wikipediaによれば、彼がワシントンD.C.で肖像画を作成中にニューヘイブンからの馬の使者によって妻の危篤を知らされたものの、急いで帰郷した時には既に葬儀まで済んでしまっていたことが、開発に着手するきっかけだったとか。大学在学中に電気工学の講義は受けていた様ですが、電気技師になった訳でもなかったというのは意外ですね。

日本ではモールスの絵の作品の知名度は高くないとは思いますが、米国内では画家としての評価はまだ高いんでしょうかね。
kanageohis1964 さま
そうだったのですか!解説では、奥さんがこの絵を描いた後、直ぐに亡くなられたとはありましたが、それがモールス信号の発明に繋がったことは説明にありませんでした。
モールスは、当時は沢山いた巡回画家の一人だそうなので、美術的価値は低くても、モールス信号の発明者による、そのきっかけとなった奥さんの絵ということで展示価値があるのかなと思いました。
とても興味深い記事でした。ありがとうございます。ベーキング、植物園、美術館、これらをひとりで楽しむ老後が理想です。
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sirowaniko

Author:sirowaniko
アメリカ生活も30年超え、NY、MA、DC、TX,CO、CA、OHを経て、今は南部のジョージアに犬猫と住んでいる普通のおばさん。蚊と蚤とトランプ一味以外の生き物が好き。

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